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薬物と休養による治療の効果が徐々に現れてきて、うつ病の症状が改善してくる時期です。ただし、ここで職場復帰を急ぐと、うつ病が再発して結果的に職場復帰が遅くなってしまいます。この時期は職場復帰のためのウォーミングアップの時期と考えるとよいでしょう。
職場復帰に合わせた生活リズムをつくるようにしましょう。決まった時間に起きて身じたくを整え、散歩に行くなど、少しずつ生活リズムを元にもどしていきましょう。
この時期もっとも重要なのが、睡眠覚醗リズムを整えることです。うつ病が回復しても、不眠がいつまでも残ってしまう患者が少なくありません。出勤時間に合わせて決まった時間に起床し、短時間でも屋外に出て日光を浴びると、リズムが整いやすくなります。そして、夜は決まった時間に寝て週7日間の規則的な生活リズムを作りましょう。
リハビリ期には、治療専念期に低下したからだの機能を回復させ、職場復帰できるだけの体力をつけることが重要です。たとえばラジオ体操や散歩、近所への買い物など、無理のないところからはじめましょう。
また集中力や注意力などを回復させる時期でもあります。興味のもてる新聞や雑誌などを読むのもよいでしょう。回復のきざしがみられたら、午前中を図書館で読書してみることをおすすめします。集中して読書ができるようになれば回復しているといえるでしょう。週5日間つづけられるようになれば、だいぶ回復してきています。
職場復帰すると、多くの場合うつ病を発症した時と同じ環境に身をおくことになります。そこで、ストレスと上手に付き合っていくことが必要になります。そのため「自己分析」をしてみることも大切です。休職までの経緯をていねいに振り返り、文章にしてみましょう。うつ病になった自分の課題に気づき、自分のなかで整理することができれば、対処法を考えることができます。
また、主治医に相談して、ものごとに柔軟に対処できる発想転換法のトレーニングを受けたり、ストレスを発散できる自分なりの方法をいくつかみつけておきましょう。
リワークとは職場復帰(return to work)のことです。各都道府県の障害者職業センターがリワーク支援のプログラムを実施していて、リワークの相談にのっています。このほか、精神保健福祉センター、民間の精神科病院などでも「デイ・ケア」として職場復帰支援を行っています。
リワークプログラムでは、毎朝決まった時間に通うことによる通勤訓練や、職業能力回復訓練、うつ病の再発予防教育などが行われます。初期のプログラムでは卓球などの運動を行い、体力をつけるとともに、ひさしぶりの集団生活になじむことが目的です。ひとりで行うリハビリに不安を感じる場合は、主治医に相談して、リワークプログラムを紹介してもらい、参加するとよいでしょう。
リワーク支援は、精神疾患等により休職中の方に対し、復職に向けてのウォーミングアップを行うことで、円滑な職場復帰を支援し、職場への助言などを行うことで、職場適応と就労の継続をはかります。(治療を目的としたものではありません)
対象者、事業主、主治医との相談等を通じて、職場復帰についての3者の意思や意見を確認し、職場復帰に向けた活動の進め方や目標について合意形成を図ります。
まず利用者の方から、事業所及び主治医にリワーク支援利用の意思を伝え、事業所及び主治医の了解を得た上で、相談を進めます。
3者の合意が、支援の実施要件となります。
面接や調査等を通じて、状況把握や職場復帰に向けての課題の整理を行います。相談の期間は、3~4週間程度です。
リワークセミナーの利用を通して、症状の安定や継続的な通所が可能か確認します。
また、講座の受講を通し、リワーク支援プログラムへの導入を図り、リワーク支援にて取り組む課題等について理解を深めます。リワークセミナーの期間は4週間程度です。
リワークセミナーの状況や、主治医・事業所の意見等を踏まえ、職場復帰に向けた、具体的な支援計両を策定します。
センターに通い、作業やプログラムの受講を行います。
支援の期間は、概ね3カ月程度を目安に個別に設定します。(最長4カ月)
支援期間中に、事業所、対象者、センター間での面談を行います。
面談では、支援の状況をご報告し、職場復帰に向けた相談等を行います。
必要に応じて復職前にリハビリ出勤支援を行うことがあります。
事業所や利用者の状況により実施しない場合もあります。
※当クリニック内にリワーク施設はありませんが、必要に応じて職場の産業医・看護師(保健師)、上司や人事・労務担当部署とも連携し、各都道府県の障害者職業センターへご紹介もしておりますので、ご相談下さい。