不眠症とは、夜間の睡眠が量的または質的に不足して、昼間の日常生活に支障をきたしている状態のことをいいます。
「眠れない」と感じでいても、「単に睡眠時間が短い」「寝つきが悪い」というだけでは不眠症にはなりません。不眠症と診断された場合には、適切な治療を受けることが大切です。
不眠症は入眠障害(寝つきが悪く、なかなか眠れないタイプ)、中途覚醒(夜中に何度も目を覚ましてしまうタイプ。不眠の中では最も訴えが多く、中高年に頻度の高い症状です。)、早朝覚醒(朝早く目覚めてしまい、まだ眠りたいのに眠れなくなってしまうタイプ。うつ病によく起こるタイプの不眠で、高齢者にもよくみられます。)熟眠障害(眠りが浅く、朝起きたときにぐっすり眠った感じがしないタイプ。うつ病や高齢者によくみられます。)のようなタイプに分けられ、それぞれのタイプに適したお薬が使われます。
お薬は作用の長さによって、超短時間型、短時間型、中時間型、長時間型の4つのタイプの睡眠薬に分けられ、症状のタイプによって使い分けます。予期不安を伴う場合には、長時間作用型抗不安薬が処方されます。
うつ病患者の9割に、不眠がみられます!
「朝起きたときにぐっすり眠った感じがしない」「寝つきが悪い」「朝早く目覚めてその後眠れない」という症状とともに、「しだいに食欲がなくなり、体重が減ってきた」「頭痛やのぼせがある」「たびたび動悸やめまいがする」「なんとなく疲れやすく、身体がだるい」「仕事や家事をやる気が起きない」「好きなこと(趣味など)をしても楽しくない」のような症状がある場合は、早めに医師の診察を受けましょう。