自分ではばからしい、無意味だとわかっていても、自分の意志に反してある考え(強迫観念)やある行為(強迫行為)が繰り返し起こって抑えることができない状態をいいます。
たとえば、外出時に戸締まりしたか気になって何度も家に戻って確認してしまう(確認強迫)、何らかに汚染されたと不安になり手がすり切れるまで何度も手を洗ってしまう(洗浄強迫)、などです。
「わかっていてもやめられない」というところにこの病気の苦しさがあるのです。
強迫性障害の治療には、薬物療法と認知行動療法があります。
OCDの治療に使われる薬は、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と総称される薬の一種、フルボキサミンやパロキセチンが用いられます。
この薬は、OCDの原因の1つと考えられている脳内のセロトニンの異常を調整する働きを持ちます。SSRIはセロトニンのみに直接作用するので、副作用も少なく服薬が継続しやすくなっています。
またOCDの治療には、薬物療法のほかに認知行動療法があり、両者を併行して行うことで治療がスムーズに進むケースもあります。
現在、このような治療を行うことで、半分以上の人が、日常生活を支障なく送れるレベルまで回復しています。