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パーソナリティ障害(境界性/自己愛性)について(その2)
パーソナリティ障害とは?
パーソナリティ障害の定義としては、シュナイダーの「その性格のために自ら悩むか、他人を害する」という定義がその後も踏襲されています。
(1)パーソナリティ障害(lCD-10)
粗大な大脳の損傷や疾病、あるいはほかの精神科的障害に直接起因しない状態で、以下のような診断を満たします。
- きわめて調和を欠いた態度と行動を示し、通常いくつかの機能領域、たとえば感情性、興奮喚起性、衝動制御、知覚と思考の様式、および他人との関係の仕方などにわたります。
- 異常行動パターンは持続し、長く存続するもので、精神疾患のエピソード中に限って起こるものではないです。
- 異常行動パターンは広汎にわたり、個人的および社会的状況の広い範囲で適応不全が明らかです。
- 上記の症状発現は、常に小児期あるいは青年期に始まり、成人期に入っても持続します。
- この障害は個人的な苦痛を少なからず引き起こしますが、それが明らかになるのはかなり経過した後からです。
- この障害は通常、しかしいつもではありませんが、職業的および社会的行動能力の重大な障 害を伴っています。
(2)パーソナリティ障害(DSM-5)
- A: その人の属する文化から期待されるものより、著しく隔たった、内的体験および行動の持続的様式。この様式は次の領域の2つ(またはそれ以上)の領域に現れます。
- 認知(すなわち、自己、他者および出来事を知覚し解釈する仕方)
- 感情性(すなわち、情動反応の範囲、強さ、不安定性、および適切さ)
- 対人関係機能
- 衝動の制御
- B: その持続的様式は柔軟性がなく、個人的および社会的状況の幅広い範聞に広がっています。
- C: その持続様式が、臨床的に著しい苦痛、または社会的、職業的、またはほかの重要な領域における機能の障害を起こしています。
- D: その様式は安定し、長期間続いており、その始まりは少なくとも青年期または成人期早期にまでさかのぼることができます。
- E: その持続様式は、ほかの精神疾患の表れ、またはその結果ではうまく説明されないです。
- F: その持続様式は、物質(例:乱用薬物、投薬)または一般身体疾患(例.頭部外傷など) の直接的な生理学的作用によるものではないです。
DSM-5では、10のパーソナリティ障害が、A群(奇妙で風変わりな特徴を主体)、B群(ドラマティック、情動的および不安定な特徴を主体)およびC群(不安および恐怖な特徴を主体)の3群に大別されています。