リワーク・プログラム（その44） | 豊中市 千里中央駅直結の心療内科「杉浦こころのクリニック」
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リワーク・プログラム（その44）
千里中央駅直結・大阪府 豊中市、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。今回は「リワーク・プログラム」の44回目です。前回に続き、リワーク・プログラム（職場復帰支援プログラム）について詳しく触れたいと思います。
【続き→】■本人がこころから復職（リワーク）を望むかどうか。
復職時期（リワーク時期）や復職を判断（リワークを判断）する客観的指標の研究も進む。
このような状況から、うつ病のリワークに対する取り組みが進んだのかについて、うつ病においてもリワーク・プログラムなどリハビリが重要であるという認識が広まったのは、ここ20年ぐらいのことです。現在も、リワークそのものに対する取り組みを行っているリワーク施設は非常に限られています。そして少ないとはいえ、うつ病患者様が職場復帰する（リワークする）前段階として、復職支援（リワーク支援）をするリワーク・プログラムがあります。それはあってしかるべきで、なければないことによって起こるドロップアウトが当然あるでしょう。
また、一口にうつ病患者様がリワークを目指すといっても、そのうつ病患者像は一定ではありません。「現代型うつ病」と呼ばれる新しいタイプのうつ病や、非定型うつ病など、リワークには困難な条件を複合的に持った人が、相当数混じっていると考えられます。今後は、そのようなうつ病患者様を対象とした研究も必要になってきます。
ここで重要なのは、うつ病患者様本人が、こころから職場復帰を望んでいる（リワークを望んでいる）かどうかです。実は、それがリワークを成功させる一番のポイントです。何がなんでも復職したい（リワークしたい）という強いモチベーションを持ってリワーク・プログラムに取り組んでいる人は、簡単ではないが、必ず前に進みます。
一方で、受け入れ側の職場が困っているのは、リワークを目指す人が、どのような状況になれば、職場復帰して（リワークして）うまくやっていけるのかという見極めで、復職を判断する（リワークを判断する）物差しが欲しいわけです。
そこで、いま期待されているのが、客観的な指標の研究です。すでにいくつか研究が始まっており、光トポグラフィを用いた職場復帰の時期を予測（リワークの時期を予測）する研究などもその１つといえます。これらが実用化されば、産業医や企業の人事部に説得力を持って、リワークする時期やリワークするタイミングを選択し、推薦することが可能になると思います。
■職場復帰を成功（リワークを成功）させるには、
リワーク・プログラムと復職支援体制（リワーク支援体制）が欠かせない。
休職から職場復帰（休職からリワーク）を成功させ、そして、また再発や休職をさせないためには、復職支援体制の整備（リワーク支援体制の整備）が必要です。
うつ病寛解後のリワーク・プログラムでのフォローアップがしっかり行われれば、うつ病に罹患した患者様の大部分が職場復帰することは可能（リワークすることは可能）です。リワークを目指す人たちにとっては、２カ月ないしは３カ月のリワーク・プログラムは必須であるといえます。復職後（リワーク後）、安定して仕事を継続していくことができるかどうかをみるには、少なくとも１年間は主治医を中心としたリワークスタッフがうつ病患者様を継続してメンタルヘルスケアしていくことが必要です。
前述したように、こうした復職支援体制（こうしたリワーク支援体制）はこれまで整備されてきませんでしたが、ここにきてリワーク・プログラムやソーシャル・サポートに対する認識が高まり、復職支援体制を整備する動き（リワーク支援体制を整備する動き）も進展してきました。
厚生労働省が「こころの健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き（リワーク支援の手引き）」（復職ガイドライン（リワークガイドライン））を出し、休業開始から職場復帰後のフォロー（リワーク後のフォロー）までを５つのステップに分けた復職支援策（リワーク支援策）が示されるなど、復職の手順（リワークの手順）がまとまってきました。また、企業においてリワーク・プログラム（企業において復職支援プログラム）も作成されつつあり、地域においてもリワークやリワーク・プログラムが立ち上がり（職場復帰支援プログラムが立ち上がり）始めました。
うつ病長期休職者や離職者への復職支援対応策（リワーク支援対応策）も、地域障害者職業センターの復職支援事業（リワーク支援事業）や総合病院でのリワーク・プログラム（総合病院での職場復帰支援プログラム）などが整備されつつあります。
労働力人口が減っていくことが予想されている中、うつ病の人を復職に導く（リワークに導く）ことは、貴重な労働力の確保という観点からも重要です。そのためにも、リワーク・プログラムの整備は、重要かつ喫緊な課題であるといえます。
以上、千里中央、心療内科「杉浦こころのクリニック」（豊中市・千里ニュータウン・千里セルシー３階）の杉浦でした。
