ホーム > SELCYブログ > リワーク支援について(その21)
リワーク支援について(その21)
皆様、こんにちは。心療内科 精神科、千里中央駅直結「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク支援について」の21回目です。前回に続き、リワーク支援(職場復帰支援)について詳しく触れたいと思います・
【続き→】■クーリング期間
認められている休業期間内に職場復帰(リワーク)をし、一定期間勤務を続けると、その後再度休業する場合に、取得できる休業期間がリセットされる(一度も休業していない場合と同期間の休業が認められる)制度を採用している職場があります。この勤務期間をクーリング期間といいます。短期間でも職場復帰(短期間でもリワーク)すれば、再休業の際にまた初回と同期間の休業が認められると、休業を繰り返し、実質的な業務をほとんど行わない状態が長期にわたって続く例が生じえます。こうした事態は、職場のみならず当該労働者にとっても好ましいかどうか疑問となる場合もあり、クーリング期間の設定はそれに対して一定の抑止効果を持つと考えられます。しかし、その期間が長すぎると、中長期的にみた場合、その事業場で充分な職務遂行が期待できる労働者が退職を余儀なくされる例が生じる可能性もあることに注意が必要でしょう。
●その他の留意点
職場復帰時点(リワーク時点)で、当該労働者あるいはその家族が、職場や上司に対して強い被害意識や悪い感情を持っている場合があります。たとえば、「自分が長期に休業せねばならないまでに至ったのは、上司の不適切な業務指示のせいである」とか、「職場の人事評価制度に問題があるために、自分の能力が認められず、メンタルヘルス不調に陥ってしまった」といったものです。妥当性がどうであれ、そうした感情を残したまま職場復帰をする(リワークをする)と、職場再適応の過程でストレスが高まった折などに再燃し、そこを乗り切れない場合が少なくないです。したがって、職場復帰前(リワーク前)に、関係者がよく話し合いを行い、少しでも事態を改善しておく働きかけが望まれます。
以上、心療内科、千里中央駅「杉浦こころのクリニック」(千里ニュータウン・千里セルシー3階)の杉浦でした。