ホーム > ブログ > 心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(その28)
2020年03月28日
千里中央(大阪府豊中市・北摂千里ニュータウン)、心療内科(メンタルヘルス科)・復職支援(リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(勤労者の心療内科的健康)」の28回目です。引き続き、心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(心療内科的健康)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖職場のメンタルヘルス概観(職場の心療内科的健康概観)〗(ⅩⅩⅦ)
~職場のメンタルヘルス不調の背景因子(職場の心療内科的健康不調の背景因子)⑰~
◎職場のメンタルヘルス評価法(職場の心療内科的健康評価法)ⓒ
A.質問紙によるメンタルヘルス評価(質問紙による心療内科的健康評価)(ⅱ)
⇒仕事の要求度-コントロール-メンタルヘルス支援(心療内科的健康支援)モデルに基づく職場のメンタルヘルス(職場の心療内科的健康)評価ツールとして、Job Contents Questionnaire(e.g.Karasek et al,1998)が、標準的なメンタルヘルス評価ツール(心療内科的健康評価ツール)として国際的に用いられています。わが国では、厚生労働省による「勤労者の心の健康の保持増進(勤労者のメンタルヘルスの保持増進(勤労者の心療内科的健康の保持増進))のためのメンタルヘルス指針(心療内科的健康指針)」(基発第0331001号)においても紹介されている「職業性ストレス簡易調査票」を用いた「仕事のストレス判定図」が広く用いられています(Katoh,2000)。「職業性ストレス簡易調査票」は多面的に職業性ストレスをメンタルヘルス評価(心療内科的健康評価)するツールとして57項目から構成されています。「仕事のストレス判定図」は、「職業性ストレス簡易調査票」のうち、「量的ストレス」、「コントロール」、「上司のメンタルヘルス支援(上司の心療内科的健康支援)」、「同僚のメンタルヘルス支援(同僚の心療内科的健康支援)」の4つの下位メンタルヘルス尺度(心療内科的健康尺度)を用いて、メンタルヘルス問題(心療内科的健康問題)が発生する危険性を「メンタルヘルスリスク」(危険性を「心療内科的健康リスク」)として算出できるメンタルヘルス評価ツール(算出できる心療内科的健康評価ツール)です。「メンタルヘルスリスク」は、職場等、指定(「心療内科的健康リスク」は、職場等、指定)したメンタルヘルス集団(心療内科的健康集団)ごとに算出され、標準メンタルヘルス集団(標準心療内科的健康集団)の平均を100とした目安から、メンタルヘルスリスク値(心療内科的健康リスク値)が大きいほど、メンタルヘルス問題が発生する危険性(心療内科的健康問題が発生する危険性)が高いと解釈できます。「仕事のストレス判定図」では、三つの「メンタルヘルスリスク」(三つの「心療内科的健康リスク」)が算出されます。一つは、「量的ストレス」と「コントロール」のメンタルヘルスバランス(心療内科的健康バランス)をもとに算出される「量-コントロール」のメンタルヘルスリスク(「量-コントロール」の心療内科的健康リスク)、次に、「職場の上司のメンタルヘルス支援(職場の上司の心療内科的健康支援)」と「職場の同僚のメンタルヘルス支援(職場の同僚の心療内科的健康支援)」から算出される「職場のメンタルヘルス支援(職場の心療内科的健康支援)」のメンタルヘルスリスク(心療内科的健康リスク)、最後に、これらの二つのメンタルヘルス視点(心療内科的健康視点)を掛け合わせた「総合メンタルヘルスリスク(総合心療内科的健康リスク)」を算出できます。「仕事のストレス判定図」から、メンタルヘルスリスクを高めて(心療内科的健康リスクを高めて)いるメンタルヘルス要因(心療内科的健康要因)を同定し、職場の環境や作業内容、組織の改善等によるストレス対策や職場のメンタルヘルス対策(職場の心療内科的健康対策)を推進する手がかりとして活用できます。
「仕事のストレス判定図」は、改善を要するメンタルヘルス問題を簡便に同定(心療内科的健康問題を簡便に同定)することができるが、同定されたメンタルヘルス問題に対する解決策(心療内科的健康問題に対する解決策)が明示されているわけではないです。メンタルヘルス結果(心療内科的健康結果)をもとに、具体的なメンタルヘルス対策(心療内科的健康対策)をメンタルヘルス的に検討(心療内科的健康的に検討)する必要があるが、メンタルヘルス問題の原因追及(心療内科的健康問題の原因追及)に終始した議論では、「犯人探し」となり、職場のメンタルヘルス対策の立案(心療内科的健康対策の立案)に至らない場合もあります。また、「仕事のストレス判定図」では、職場ごとのメンタルヘルス問題の発生リスクを算出(心療内科的健康問題の発生リスクを算出)できることから、作業環境や職務内容に応じたメンタルヘルス課題(心療内科的健康課題)をメンタルヘルス的に検討できる一方(心療内科的健康的に検討できる一方)で、あたかも、当該職場の管理監督者の「メンタルヘルス評価」(管理監督者の「心療内科的健康評価」)のように、メンタルヘルス結果の数値(心療内科的健康結果の数値)が独り歩きしてしまう恐れも否定できないです。メンタルヘルス調査結果(心療内科的健康調査結果)の共有は、効果的なメンタルヘルス対策(効果的な心療内科的健康対策)にもなりうるが、「どのようなメンタルヘルス情報(心療内科的健康情報)を、誰と、どのようなメンタルヘルス目的(心療内科的健康目的)で共有するのか」を明確にしておくことが重要です。建設的かつ実効的なストレス対策や職場のメンタルヘルス対策を実施(職場の心療内科的健康対策を実施)するためには、メンタルヘルス結果の見方(心療内科的健康結果の見方)だけでなく、メンタルヘルス対策の趣旨(心療内科的健康対策の趣旨)の理解を促し、メンタルヘルス活用方法(心療内科的健康活用方法)を周知するメンタルヘルス啓発活動(心療内科的健康啓発活動)も重要です。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科 精神科(メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援(リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。