ホーム > ブログ > 心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(その21)
2020年03月01日
千里中央(大阪府豊中市・北摂千里ニュータウン)、心療内科(メンタルヘルス科)・復職支援(リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(勤労者の心療内科的健康)」の21回目です。引き続き、心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(心療内科的健康)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖職場のメンタルヘルス概観(職場の心療内科的健康概観)〗(ⅩⅩ)
~職場のメンタルヘルス不調の背景因子(職場の心療内科的健康不調の背景因子)⑩~
◎勤労者のメンタルヘルス評価法(勤労者の心療内科的健康評価法)ⓓ
B.メンタルヘルス評価(心療内科的健康評価)とそのためのメンタルヘルス情報収集(心療内科的健康情報収集)(ⅰ)
⇒勤労者のメンタルヘルス状態(勤労者の心療内科的健康状態)、そのメンタルヘルス状態(心療内科的健康状態)が脅かされるメンタルヘルスリスク(心療内科的健康リスク)、関連するメンタルヘルス要因(心療内科的健康要因)は、さまざまな角度(例えば、管理監督者による部下の変化への気づきとメンタルヘルス対応(心療内科的健康対応)や、メンタルヘルス評価対象別(心療内科的健康評価対象別)(①メンタルヘルス疾患の有無(心療内科的健康疾患の有無)、②メンタルヘルス不調の有無(心療内科的健康不調の有無)、③ストレス反応、④ストレス因子、⑤緩衝メンタルヘルス要因(緩衝心療内科的健康要因))にみた有用なメンタルヘルス情報元(心療内科的健康情報元)(①職場での人事関連メンタルヘルス情報(職場での人事関連心療内科的健康情報)、②職場でのメンタルヘルス(職場での心療内科的健康)診断、③管理監督者(上司)、④個別メンタルヘルス相談(心療内科的健康相談)、⑤職場巡視、⑥家族)など)からメンタルヘルス評価をすることが可能(心療内科的健康評価をすることが可能)です。それらメンタルヘルス評価のうち(それら心療内科的健康評価のうち)、質問紙によるメンタルヘルス障害(心療内科的健康障害)のメンタルヘルススクリーニングを目的(心療内科的健康スクリーニングを目的)としたメンタルヘルス質問票(心療内科的健康質問票)および産業保健スタッフなどメンタルヘルススタッフ(心療内科的健康スタッフ)が行うメンタルヘルス科面接法(心療内科面接法)については後で詳述することとし、ここでは、メンタルヘルススクリーニング(心療内科的健康スクリーニング)およびメンタルヘルス科面接法などを除いた手段(心療内科面接法などを除いた手段)について解説します。メンタルヘルス評価のため(心療内科的健康評価のため)のメンタルヘルス情報(心療内科的健康情報)をいかに多面的に収集し、その収集したメンタルヘルス情報を妥当な形で統合(心療内科的健康情報を妥当な形で統合)するかは、産業保健スタッフなどメンタルヘルススタッフの手腕(心療内科的健康スタッフの手腕)の見せ所です。
1.人事関連メンタルヘルス情報(人事関連心療内科的健康情報)
⇒欠勤、遅刻・早退の増加は、メンタルヘルス状態に関する(心療内科的健康状態に関する)もっともわかりやすいメンタルヘルス指標の一つ(心療内科的健康指標の一つ)です。理由のはっきりしない不定期の欠勤、散発的ではあるがまとまった日数の欠勤などは、メンタルヘルス不調と関連(心療内科的健康不調と関連)がある可能性があります。
うつ病などメンタルヘルス疾患(心療内科的健康疾患)では、メンタルヘルス症状の日内変動(心療内科的健康症状の日内変動)(朝メンタルヘルス症状(心療内科的健康症状)が重く、午後になってメンタルヘルス症状が軽快(心療内科的健康症状が軽快)する例が多い)のため、遅刻が目立つようになることがあります。アルコール依存症では、散発的な欠勤に加え、休日の多量飲酒(場合によっては、連続飲酒発作と呼ばれる特徴的な飲酒の仕方)によって、休日明けの欠勤が特徴的です。
こうした勤怠のメンタルヘルス問題(心療内科的健康問題)は、断面ではなく、経年変化をみることで、より把握しやすくなります。
また、ほかの勤労者と比較して人事異動の回数が多い者、不定期の職場異動にも注意します。その中には、とくに大企業などで、職場での不適応症(適応障害)のために職場間の調整により異動のメンタルヘルス措置(異動の心療内科的健康措置)がなされ、そのメンタルヘルス措置(心療内科的健康措置)が産業保健スタッフなどのメンタルヘルススタッフには伝わっていない例(心療内科的健康スタッフには伝わっていない例)があります。
2.メンタルヘルス診断(心療内科的健康診断)
⇒労働安全衛生規則で定められているメンタルヘルス診断項目(心療内科的健康診断項目)で、メンタルヘルス不調ともっとも関連が深い(心療内科的健康不調ともっとも関連が深い)のはメンタルヘルス自覚症状(心療内科的健康自覚症状)のメンタルヘルス調査(心療内科的健康調査)です。多くの事業場で、このメンタルヘルス自覚症状の確認(心療内科的健康自覚症状の確認)のために、メンタルヘルス質問票の類(心療内科的健康質問票の類)(メンタルヘルス項目アンケート(心療内科的健康項目アンケート))が活用されています。メンタルヘルス質問票(心療内科的健康質問票)には、イライラ、気分の憂うつさ、不眠といった直接メンタルヘルス不調を示唆(心療内科的健康不調を示唆)するようなメンタルヘルス項目(心療内科的健康項目)、頭痛、肩こり、消化器系の不調などのメンタルヘルス不調(心療内科的健康不調)やストレスの高まりと関連が強いメンタルヘルス項目も含まれているのが一般的(関連が強い心療内科的健康項目も含まれているのが一般的)です。
職場でのメンタルヘルス診断(職場での心療内科的健康診断)では、勤労者に事前に記入を求めたメンタルヘルス質問票の回答(心療内科的健康質問票の回答)を手がかりにメンタルヘルス科面接(心療内科面接)が実施され、職場でのメンタルヘルス不調(職場での心療内科的健康不調)の有無をメンタルヘルス評価(有無を心療内科的健康評価)していくことになります。その際、前年のメンタルヘルス情報(前年の心療内科的健康情報)が同時に参照できれば、その前年のメンタルヘルス情報と比較(前年の心療内科的健康情報と比較)することで、メンタルヘルス自覚症状の変化(心療内科的健康自覚症状の変化)がわかり、メンタルヘルス科面接の導入時の問いかけ(心療内科面接の導入時の問いかけ)としても活用できます。
また、表情や問いかけに対するメンタルヘルス反応(心療内科的健康反応)、身振りなども重要な手がかりです(表2)。以前のメンタルヘルス不調者(心療内科的健康不調者)本人の職場での様子がわかっていると、メンタルヘルス問題に気づきやすい(心療内科的健康問題に気づきやすい)です。
◇表2 メンタルヘルス科面接で注意(心療内科面接で注意)したい非言語的なメンタルヘルス問題(非言語的な心療内科的健康問題)の側面
『・着衣の乱れ
・髪の乱れ、化粧のメンタルヘルス状態(化粧の心療内科的健康状態)(女性)
・衣服の色、アンバランス
・動作ののろさ
・動作のぎこちなさ
・落ち着きのなさ
・顔の表情(活気のなさ、疑い深い様子など)
・発汗』
ほかのメンタルヘルス項目(ほかの心療内科的健康項目)では、体重、肝機能値(GOT、GPT、γ-GTP)がとくにメンタルヘルス指標(心療内科的健康指標)となりやすいです。うつ病などのメンタルヘルス疾患では、体重減少(心療内科的健康疾患では、体重減少)は主要メンタルヘルス症状の一つ(主要心療内科的健康症状の一つ)です。肝機能値、とくにγ-GTPは、飲酒量とよく相関することが知られています。他方、多量飲酒によってもγ-GTPが基準値内にとどまっている例もあり、こうしたメンタルヘルス指標を過信しないこと(心療内科的健康指標を過信しないこと)にも留意したいです。
また、いずれも、身体疾患によっても、異常を来たすことに注意することは言うまでもないです。
なお、行政の新しいメンタルヘルス施策(心療内科的健康施策)として、メンタルヘルス診断の枠外(心療内科的健康診断の枠外)ではあるが、メンタルヘルス診断と併せて(心療内科的健康診断と併せて)、職場でのストレス反応のうち、抑うつ(気分が憂うつ・気分の落ち込み)、不安、易疲労感に関するストレスチェックリストを実施することがメンタルヘルス的に検討(心療内科的健康的に検討)されていました。
メンタルヘルス診断の場(心療内科的健康診断の場)では、1人の勤労者にあまり多くのメンタルヘルス科面接時間(心療内科面接時間)をかけられないところも多いでしょう。その場合は、後日再度メンタルヘルス科面接(後日再度心療内科面接)したい旨を明確に伝えるとともに、メンタルヘルス科面接を無理なく行う(心療内科面接を無理なく行う)にはどうすればよいか(例えば、職場を抜けて来やすい曜日、時間帯、上司に許可を得る必要がある場合には、産業保健スタッフなどのメンタルヘルススタッフからの連絡(心療内科的健康スタッフからの連絡)の仕方など)を確認していくとよいです。再度のメンタルヘルス科面接のおよその所要時間(再度の心療内科面接のおよその所要時間)も併せて知らせます。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科 精神科(メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援(リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。