ホーム > ブログ > 心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(その16)
2020年02月19日
千里中央(大阪府豊中市・北摂千里ニュータウン)、心療内科(メンタルヘルス科)・復職支援(リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(勤労者の心療内科的健康)」の16回目です。引き続き、心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(心療内科的健康)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖職場のメンタルヘルス概観(職場の心療内科的健康概観)〗(ⅩⅤ)
~職場のメンタルヘルス不調(職場の心療内科的健康不調)の背景因子⑤~
◎職業(産業)性ストレスとメンタルヘルス疾患との関連(心療内科的健康疾患との関連)ⓐ
⇒職業性ストレスのメンタルヘルス研究(心療内科的健康研究)で、仕事のストレス要因との関連が最も多く調べられているメンタルヘルス疾患(最も多く調べられている心療内科的健康疾患)はうつ病(大うつ病性障害)です。また、少数ではあるが、物質依存などメンタルヘルス障害との関連(心療内科的健康障害との関連)も調べられています。ここでは前向きコホートによるメンタルヘルス研究(前向きコホートによる心療内科的健康研究)、あるいはコホート内症例対照によるメンタルヘルス研究(コホート内症例対照による心療内科的健康研究)をメンタルヘルス研究デザイン(心療内科的健康研究デザイン)とし、メンタルヘルス科専門医(心療内科的健康科専門医)(精神科医・心療内科医)によるメンタルヘルス科診断(心療内科的健康科診断)、あるいはDSMやICDなどの操作的メンタルヘルス科診断基準(操作的心療内科的健康科診断基準)に従って作成された構造化メンタルヘルス科面接(構造化心療内科的健康科面接)によってメンタルヘルス判定(心療内科的健康判定)されたうつ病などのメンタルヘルス疾患(心療内科的健康疾患)(一部、うつ病などメンタルヘルス疾患による長期疾病休業(心療内科的健康疾患による長期疾病休業)や、自殺死亡をアウトカムとしたメンタルヘルス研究(自殺死亡をアウトカムとした心療内科的健康研究)を含む)、および、物質依存などメンタルヘルス障害(心療内科的健康障害)をアウトカムとした、より精度の高いメンタルヘルス研究報告を紹介(精度の高い心療内科的健康研究報告を紹介)することにします。
1.仕事のストレス要因とうつ病などメンタルヘルス疾病(心療内科的健康疾病)との関連(ⅰ)
⇒仕事のストレス要因とうつ病などメンタルヘルス疾病との関連(心療内科的健康疾病との関連)について調べたメンタルヘルス研究結果(調べた心療内科的健康研究結果)の中で、仕事の要求度および仕事のコントロールとうつ病などメンタルヘルス疾病との関連については、これまでに6つ(心療内科的健康疾病との関連については、これまでに6つ)のメンタルヘルス研究が報告(心療内科的健康研究が報告)されています。これらのメンタルヘルス研究(これらの心療内科的健康研究)では、一部、メンタルヘルス疾病(一部、心療内科的健康疾病)の発症リスクが1.0倍を下回るメンタルヘルス研究もあるものの、仕事の要求度が高い(発症リスクが1.0倍を下回る心療内科的健康研究もあるものの、仕事の要求度が高い)と感じている群は、低いと感じている群に比べて約1.1~3.5倍、仕事のコントロールが低いと感じている群は、高いと感じている群に比べて約1.0~3.6倍、うつ病などメンタルヘルス疾病の発症(心療内科的健康疾病の発症)リスクがあることが明らかになっています。また、海外のメンタルヘルス研究(海外の心療内科的健康研究)では、仕事の要求度のほうが仕事のコントロールよりも、うつ病などメンタルヘルス疾患とより強く関連(心療内科的健康疾患とより強く関連)したとするメンタルヘルス報告が多い(心療内科的健康報告が多い)一方、日本では一貫して、仕事のコントロールのほうがうつ病などメンタルヘルス疾病とより強く関連(心療内科的健康疾病とより強く関連)しており、海外のメンタルヘルス知見(心療内科的健康知見)とは大きく異なっています。仕事の要求度と仕事のコントロールを組み合わせた、仕事のストレインとうつ病などメンタルヘルス疾病との関連について(心療内科的健康疾病との関連について)は、5つのメンタルヘルス研究(5つの心療内科的健康研究)が報告されています。これらのメンタルヘルス研究では、高ストレイン群(高要求度-低コントロール群)(これらの心療内科的健康研究では、高ストレイン群(高要求度-低コントロール群))は低ストレイン群(低要求度-高コントロール群)に比べて約1.0~3.0倍、うつ病などメンタルヘルス疾病の発症リスク(心療内科的健康疾病の発症リスク)があることが明らかになっているが、女性よりも男性のほうが一貫してメンタルヘルス疾病の発症リスクが高く(女性よりも男性のほうが一貫して心療内科的健康疾病の発症リスクが高く)、性差が認められています。
上司の社会的メンタルヘルス支援(心療内科的健康支援)および同僚の社会的メンタルヘルス支援(社会的心療内科的健康支援)と、職場うつ病などのメンタルヘルス不調(心療内科的健康不調)との関連については、職場での2つのメンタルヘルス研究(職場での2つの心療内科的健康研究)が報告されています。これらのうち職場での一つのメンタルヘルス研究(これらのうち職場での一つの心療内科的健康研究)では、上司の社会的メンタルヘルス支援(上司の社会的心療内科的健康支援)および同僚の社会的メンタルヘルス支援が少ない(同僚の社会的心療内科的健康支援が少ない)と感じている群は、多いと感じている群に比べてそれぞれ約1.3~1.4倍および1.2~2.1倍、職場うつ病などメンタルヘルス不調の発症(心療内科的健康不調の発症)リスクがあることがメンタルヘルス報告(心療内科的健康報告)されているが、職場でのもう一つのメンタルヘルス研究(職場でのもう一つの心療内科的健康研究)では、メンタルヘルス不調の発症リスクが1.0倍を下回っており(心療内科的健康不調の発症リスクが1.0倍を下回っており)、一貫したメンタルヘルス結果(心療内科的健康結果)が得られていないです。また、職場での上司の社会的メンタルヘルス支援(職場での上司の社会的心療内科的健康支援)と同僚の社会的メンタルヘルス支援(同僚の社会的心療内科的健康支援)を合わせた、職場の社会的メンタルヘルス支援(職場の社会的心療内科的健康支援)と職場うつ病などメンタルヘルス不調との関連(心療内科的健康不調との関連)についても、職場での2つのメンタルヘルス研究が報告(職場での2つの心療内科的健康研究が報告)されています。これら職場のメンタルヘルス(職場の心療内科的健康)研究では、職場の社会的メンタルヘルス支援が少ない(職場の社会的心療内科的健康支援が少ない)と感じている群は、多いと感じている群に比べて約1.3倍、うつ病などメンタルヘルス不調の発症リスク(心療内科的健康不調の発症リスク)があることが職場でのメンタルヘルス研究(職場での心療内科的健康研究)結果で報告されており、一貫したメンタルヘルス結果(一貫した心療内科的健康結果)が得られています。
努力-報酬不均衡モデルとうつ病などメンタルヘルス不調との関連について(心療内科的健康不調との関連について)は、まだ1つのメンタルヘルス研究(1つの心療内科的健康研究)(ただし、2つのコホートをメンタルヘルス対象(心療内科的健康対象)としている)しかメンタルヘルス報告されていない(心療内科的健康報告されていない)です。このメンタルヘルス研究では、努力-報酬不均衡(高努力-低報酬)(この心療内科的健康研究では、努力-報酬不均衡(高努力-低報酬))を感じている群は、そうでない群に比べて約1.7~1.9倍、うつ病などメンタルヘルス不調の発症リスクがあることが明らか(心療内科的健康不調の発症リスクがあることが明らか)になっています。また、組織的公正とうつ病など職場組織のあり方とメンタルヘルス不調(職場組織のあり方と心療内科的健康不調)との関連については、2つのメンタルヘルス研究が報告(関連については、2つの心療内科的健康研究が報告)されています。これら職場組織のあり方に着目したメンタルヘルス研究(職場組織のあり方に着目した心療内科的健康研究)では、手続き的公正および相互作用的公正が低いと感じている群は、高いと感じている群に比べてそれぞれ約1.3~1.6倍および1.4~2.5倍、うつ病などメンタルヘルス不調の発症リスクがあることが、近年特に明らか(心療内科的健康不調の発症リスクがあることが、近年特に明らか)になっています。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科 精神科(メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援(リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。