ホーム > ブログ > 心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(その12)
2020年02月12日
千里中央(大阪府豊中市・北摂千里ニュータウン)、心療内科(メンタルヘルス科)・復職支援(リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(勤労者の心療内科的健康)」の12回目です。引き続き、心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(心療内科的健康)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖職場のメンタルヘルス概観(職場の心療内科的健康概観)〗(Ⅺ)
~職場のメンタルヘルス不調(職場の心療内科的健康不調)の背景因子①~
職場のメンタルヘルス対策(職場の心療内科的健康対策)を進めるうえで、勤労者のメンタルヘルス不調の背景因子(勤労者の心療内科的健康不調の背景因子)の把握は不可欠であり、メンタルヘルス不調を抱える勤労者(心療内科的健康不調を抱える勤労者)の個別メンタルヘルス対応時(心療内科的健康対応時)はもちろん、職場環境改善など、職場全体へのアプローチを行ううえでも必須事項です。しかしながら、「メンタルヘルス不調(心療内科的健康不調)」の背景因子は、そのメンタルヘルス不調の定義(心療内科的健康不調の定義)「メンタルヘルスおよび行動の障害(心療内科的健康および行動の障害)に分類されるメンタルヘルス障害(心療内科的健康障害)や自殺のみならず、ストレスや強い悩み、不安など、勤労者のメンタルヘルス、社会生活(勤労者の心療内科的健康、社会生活)および生活の質に影響を与える可能性のあるメンタルヘルス的(心療内科的健康的)および行動上の問題を幅広く含むもの」(勤労者の心の健康の保持増進(勤労者のメンタルヘルスの保持増進(勤労者の心療内科的健康の保持増進))のためのメンタルヘルス指針(心療内科的健康指針))からも推察されるように、多岐にわたり、複数の職場のストレス要因、職場外のストレス要因および個人メンタルヘルス要因(心療内科的健康要因)が複雑に重なり合ってメンタルヘルス不調を引き起こす(心療内科的健康不調を引き起こす)ケースが多いです。
ここでは、まず、職場のメンタルヘルス不調の背景因子(職場の心療内科的健康不調の背景因子)を整理する際に有用な、職業性ストレスの理論モデルを中心に紹介します。次に、職場のメンタルヘルス不調の背景因子に関する(職場の心療内科的健康不調の背景因子に関する)各種メンタルヘルス統計(心療内科的健康統計)を示したうえで、近年の職場のメンタルヘルス(職場の心療内科的健康)のトピックスについて述べます。
◎職業性ストレスモデルの中での危険因子ⓐ
⇒環境因子としての職場のストレス因子を考えてメンタルヘルス評価すること(考えて心療内科的健康評価すること)は、そのストレス因子を抽出することであるので、メンタルヘルス疾病(心療内科的健康疾病)の再発や再燃の予防に大きく役立ちます。
1.ストレスコーピング理論
⇒LazarusとFolkmanはストレッサーを以下のように3つに大別しました。
①カタストロフィー:天変地異や大災害・大震災など人智の及ばない劇的な出来事
②ライフイベント:身近な人の死や離別、失業、失恋、結婚、借金など個人の人生の上での急激な変化や大きな出来事
③デイリーハッスルズ:職場での人間関係や家族の問題など、日常生活の中で繰り返し起こる些細なイライラや小さなトラブルなど
デイリーハッスルズは誰もが頻繁に経験する日々の些細な出来事であるが、ほかの2つと比較してストレッサーとしての度合いは低いものの、デイリーハッスルズの積み重ねはストレスの原因に気づきにくく知らず知らずのうちに大きな影響を受けているとした点は大いに参考になります。
彼らは人間が出来事などと遭遇し刺激を受けると、その刺激に対して1次的なメンタルヘルス評価(1次的な心療内科的健康評価)と2次的なメンタルヘルス評価(2次的な心療内科的健康評価)という、2つのメンタルヘルス評価プロセス(2つの心療内科的健康評価プロセス)があることを示しました。1次的なメンタルヘルス評価とは、個人にとって当該体験事象が有意味なものであるか否か(1次的な心療内科的健康評価とは、個人にとって当該体験事象が有意味なものであるか否か)、そして有意味な場合には、それが個人にとって有益か有害か、ストレスフルかという3種類で区別されるとしています。1次的なメンタルヘルス評価がネガティブで重大(1次的な心療内科的健康評価がネガティブで重大)であるほど不安、怒り、恐怖、抑うつ(気分が憂うつ)などのネガティブな感情がわいてきます。これに対して2次的なメンタルヘルス評価(これに対して2次的な心療内科的健康評価)とは、ストレスフルとメンタルヘルス的に評価(心療内科的健康的に評価)されたストレッサーを軽減・ストレッサーを改善またはストレッサーを解決する統制が可能かをメンタルヘルス的に評価(統制が可能かを心療内科的健康的に評価)する段階であり、2次的なメンタルヘルス評価(段階であり、2次的な心療内科的健康評価)をストレス状況の展開に応じて変化させることがストレス適応にとって重要であるとするトランスアクショナル・モデルを提唱しました。そして、ストレスを受ける個人と環境との関係を重視し、同じ出来事やストレス状況に置かれてもそのストレス反応には個人差があり、ストレスをどのようにとらえるかという個人のメンタルヘルス過程(心療内科的健康過程)が、個人のストレス対処行動の選択やストレス反応の表出の程度を規定すると考え、環境刺激に対するストレス対処(ストレスコーピング)に着目し、個人と環境との相互作用からストレスを扱っています。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科 精神科(メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援(リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。