職場のメンタルヘルス(その45) | 豊中市 千里中央駅直結の心療内科「杉浦こころのクリニック」

ブログブログ

ホーム > ブログ > 職場のメンタルヘルス(その45)

職場のメンタルヘルス(その45)

2019年11月12日 

千里中央大阪府豊中市北摂千里ニュータウン)、心療内科 精神科メンタルヘルスケア科)・復職支援リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「職場のメンタルヘルス」の45回目です。引き続き、職場のメンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖産業精神保健の基本問題(産業メンタルヘルスの基本問題)〗(ⅩⅩⅪ)
メンタルヘルス科専門医精神科医・心療内科医)との連携法を知りたい③~
◎産業医によるメンタルヘルス疾患疑われるメンタルヘルス不調者メンタルヘルス情報提供
⇒職場内にて産業医としてメンタルヘルス障害を疑われるメンタルヘルス不調者にかかわる場合メンタルヘルス対応について述べます。産業医にはメンタルヘルス科を専門とする医師精神科医師・心療内科医師)もいれば、メンタルヘルス科を専門としない医師もいます。メンタルヘルス専門医心療内科医・精神科医)の場合、適切なメンタルヘルス医学的メンタルヘルス科診察を実施し、必要に応じてメンタルヘルス科専門病院メンタルクリニックとの間で病診連携を取ることになるでしょう。
メンタルヘルス問題は、メンタルヘルス科を専門としない産業医によるメンタルヘルス対応です。この産業医によるメンタルヘルス対応の多くは、診察室でメンタルヘルス不調者を診察し、産業医からメンタルクリニックメンタルヘルス科専門病院への紹介に至ります。メンタルヘルス科への紹介の際メンタルヘルス専門医師の主治医心療内科医師・精神科医師)にとって、メンタルヘルス疾患に関する正しいメンタルヘルス科診断メンタルヘルス科診断名の入ったメンタルヘルス不調者メンタルヘルス診療情報提供書の提供よりも、より詳しい社内でのメンタルヘルス情報の提供が大変重要となります。また、メンタルヘルス情報提供書に示される内容に関しては、可能なかぎりメンタルヘルス不調者本人から適切な同意を得ることが重要です。メンタルヘルス診療情報の提供に際し、一般的なメンタルヘルス科の現病歴に加えて、最低限おさえておきたいポイントがあります。以下、メンタルヘルス診療情報提供の際のポイントを列記します。
メンタルヘルス不調者の業務内容メンタルヘルス不調者の職場環境
メンタルヘルス科主治医は産業医が考えている以上に、メンタルヘルス不調者の業務上の背景を理解していないです。たとえば、総務室勤務のメンタルヘルス不調者の場合、メンタルヘルス科主治医はただ単に事務職としてしかメンタルヘルス不調者をとらえていないことも少なくないです。そのメンタルヘルス不調者が総合職として採用され、一定期間でメンタルヘルス不調者が配置の転換や転勤を余儀なくされるようなメンタルヘルス状況なのかどうかなども、ときにはメンタルヘルス科診断の上で重要メンタルヘルス情報になります。したがって、可能なかぎり詳しいメンタルヘルス不調者の業務内容メンタルヘルス不調者の職位メンタルヘルス不調者の転勤メンタルヘルス不調者の配置転換の有無などのメンタルヘルス情報を記述する必要があります。
ほかには、職場環境の特殊性も考慮すべき重要なメンタルヘルス診療情報提供のポイントです。たとえば、学校の教諭などの専門職の人がメンタルヘルス障害を疑われた際、メンタルヘルス科受診に至るまでは通常のメンタルヘルス対応でおおむね十分であるが、休職に至って復職に至る休職に至ってリワークに至る)場合、学校教諭であれば、「復職=生徒の前で授業を行いリワーク=生徒の前で授業を行い)、多少なりとも学級運営に携わること」なので、復職後しばらくの間リワーク後しばらくの間)、半日からの慣らし勤務(リハビリ出勤)やメンタルヘルス症状の悪い日の安易な欠勤は難しいです。職種の特殊性をメンタルヘルス情報提供の際にあわせて伝えることも重要です。
■職場でのメンタルヘルス不調者の対人環境
メンタルヘルス不調ハラスメントなどが関与していると思われる場合は特に重要です。どのような人とメンタルヘルス問題を起こしたのか、メンタルヘルス問題となる人はほかの同僚や部下などへの接し方はどうであったのか、メンタルヘルス不調者への接し方はどうであったのかなど、詳しく記述します。このような職場のメンタルヘルス情報は、たとえばハラスメント被害妄想との鑑別などに役立つことがあります。
■職場でのメンタルヘルス不調者の日頃の様子
メンタルヘルス不調者本人のこれまでの職場での仕事ぶりメンタルヘルス不調者本人の勤怠状況、周囲から見たメンタルヘルス不調者本人の性格や入社(入職)以来のメンタルヘルス不調者本人の職場適応メンタルヘルス不調者本人の職務遂行能力の推移などはメンタルヘルス科診察上有益なメンタルヘルス情報になります。メンタルヘルス不調者本人との交流の中で、メンタルヘルス不調者本人のアルコールの摂取状況なども把握できているとより好ましいです。親しい同僚や客観的な第三者などから、これら職場のメンタルヘルス情報が得られるとよいです。
このように、産業医からの職場のメンタルヘルス情報提供に当たっては、職場でのメンタルヘルス不調者本人および周囲のより詳しいメンタルヘルス情報の提供をお願いしたいです。職場のメンタルヘルス情報が少なくて、あいまいなメンタルヘルス科診断名を記載された職場のメンタルヘルス診療情報提供書より、メンタルヘルス科診療に有益です。また、メンタルヘルス不調者本人の同意が得られ、可能であれば、メンタルヘルス科初診の際職場でのメンタルヘルス不調者本人の様子をよく把握している職場のメンタルヘルス代表者や産業保健スタッフなどメンタルヘルススタッフメンタルクリニックでのメンタルヘルス科診療に同伴してもらえるとより好ましいです。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科メンタルヘルス科)・職場復帰支援リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。

 

ページトップに戻る

レスポンシブウェブデザイン