職場のメンタルヘルス(その18) | 豊中市 千里中央駅直結の心療内科「杉浦こころのクリニック」

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職場のメンタルヘルス(その18)

2019年08月29日 

千里中央大阪府豊中市北摂千里ニュータウン)、心療内科 精神科メンタルヘルスケア科)・復職支援リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「職場のメンタルヘルス」の18回目です。引き続き、職場のメンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖産業精神保健の基本問題(産業メンタルヘルスの基本問題)〗(Ⅳ)
◎事例性の重視①
「メンタルヘルス不調」とは
⇒産業精神保健(産業メンタルヘルス)は、「メンタルヘルス不調」を取り組みの対象とします。メンタルヘルス不調とは、「労働者の心の健康(労働者のメンタルヘルス)の保持増進のための指針」(メンタルヘルス指針)で示された概念(表1)であり、以前「メンタルヘルス不全」と称されていたメンタルヘルス状態と同義です。「メンタルヘルス不調」という概念が、疫学やメンタルヘルス科臨床的メンタルヘルス科治療戦略のために提唱されたものではなく、「国際疾病分類第10版(ICD-10)」第Ⅴ章や「米国精神医学会のメンタルヘルス障害の診断と統計のためのマニュアル(DSM-Ⅳ-TR)」との関連付けはなされていないです。
労働者が、何らかの原因でメンタルヘルスの不調をきたすと、仕事面にもさまざまな影響が現れます。メンタルヘルス不調による影響は、メンタルヘルスの不調が一定の診断基準を満たすことで定義されるメンタルヘルス疾患でなくても生じうる変化です。メンタルヘルス疾患の診断がつくかどうかは、メンタルヘルス不調への対応の進め方を検討する際に議論になることはあっても、職場で何らかのメンタルヘルス不調への対応を行うべきかどうかには直接関係しないです。換言すれば、「メンタルヘルス不調」という枠組みは、産業精神保健の重要な守備範囲(産業メンタルヘルスの重要な守備範囲)を示していると言えます。したがって、既存のメンタルヘルス科診断に対応するものではないから「メンタルヘルス不調」の枠組みを排除すべきという意見があるとすれば、的外れというしかないです。
「メンタルヘルス不調」の枠組み具体的な産業メンタルヘルスへの取り組みに結び付ける役割を果たしているのが、「事例性」の概念です。
◇表1 「メンタルヘルス不調」の定義
メンタルヘルスおよび行動の障害に分類されるメンタルヘルス障害や自殺のみならず、ストレスや強い悩み、不安など、労働者のメンタルヘルス、社会生活および生活の質に影響を与える可能性のあるメンタルヘルス的および行動上の問題を幅広く含むものをいう。』
「労働者の心の健康の保持増進(労働者のメンタルヘルスの保持増進)のための指針」(メンタルヘルス指針(2006))による
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科メンタルヘルス科)・職場復帰支援リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。

 

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