ホーム > ブログ > リワーク(復職支援)プログラム(その46)
2019年04月03日
千里中央(大阪府 豊中市・北摂 千里ニュータウン)、心療内科 精神科(メンタルヘルスケア科)「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク(復職支援)プログラム」の46回目です。引き続き、リワークプログラム(復職支援プログラム)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワークプログラムなど復職支援デイケア(復職支援プログラムなど復職支援デイケア)で患者様はなにをするか〗(ⅩⅦ)
◎本人向け復職支援アドバイス(リワークアドバイス)⑪
~メンタルヘルス不調でリワークプログラムを続ける(復職支援プログラムを続ける)のが難しくなったら~
⇒うつ病などメンタルヘルス疾患からの回復は一進一退。メンタルヘルス不調でリワークプログラムを中断(復職支援プログラムを中断)することもあります。しかし、そのリワークプログラムの中断体験(復職支援プログラムの中断体験)は、必ず復職支援にいかす(リワークにいかす)ことができます。じっくりとメンタルヘルス科治療して、メンタルヘルス不調が回復してからリワークプログラムを再開(復職支援プログラムを再開)しましょう。
■無理してリワークプログラムに通う(無理して復職支援プログラムに通う)ことは、復職支援には逆効果(リワークには逆効果)になる
⇒リワークプログラムの途中(復職支援プログラムの途中)で、メンタルヘルス症状が悪化したり、メンタルヘルス症状が不安定になったりした場合は、すぐに復職支援施設(リワーク施設)のスタッフに伝えます。患者様のメンタルヘルス状態によっては、しばらくリワークプログラムなどデイケア(復職支援プログラムなどデイケア)を中断し、メンタルヘルス症状を整えることを復職支援で優先(リワークで優先)させます。
メンタルヘルス症状を崩した場合は、そのメンタルヘルス症状の程度によって、通所する復職支援施設(通所するリワーク施設)でのリワークプログラムの日数(復職支援プログラムの日数)やリワークプログラムの時間(復職支援プログラムの時間)を減らすことや、リワークプログラム中断を検討(復職支援プログラム中断を検討)します。事前の復職支援面談(リワーク面談)などで、リワークプログラムを中断するときの基準(復職支援プログラムを中断するときの基準)についてメンタルヘルス科専門医(精神科医・心療内科医)や復職支援施設スタッフ(リワーク施設スタッフ)から説明があります。リワークプログラムなどデイケア中断(復職支援プログラムなどデイケア中断)基準は、復職支援施設など医療機関(リワーク施設など医療機関)によって異なります。
▼リワークプログラムなどデイケア中断基準(復職支援プログラムなどデイケア中断基準)の例
『①リワークプログラムの出席率(復職支援プログラムの出席率)が低い
➡リワークプログラムの欠席(復職支援プログラムの欠席)が3週間程度続いている、あるいは1ヵ月のリワークプログラム参加率(復職支援プログラム参加率)が3割に満たないなど、リワークプログラムへの出席(復職支援プログラムへの出席)が安定していない場合
②メンタルヘルス状態が悪化
➡生活リズムが乱れてメンタルヘルス状態を崩したり、うつ症状などメンタルヘルス症状が強くなるなど、メンタルヘルス状態が悪化・不安定化した場合』
メンタルヘルス状態を整えるために、リワークプログラムなど復職支援デイケアは中断(復職支援プログラムなど復職支援デイケアは中断)し、メンタルヘルス科治療中心になります。リワークプログラム中断後(復職支援プログラム中断後)はメンタルヘルス科外来通院や休養、薬物療法などによるメンタルヘルス科治療中心の生活に変わります。ただし、メンタルヘルス状態を崩したきっかけに着目することで、過去の休職や将来の再休職に関わるポイントがリワークプログラムの中断でみえてくる(復職支援プログラムの中断でみえてくる)場合もあります。
せっかく続けてきたリワークプログラムを中断(続けてきた復職支援プログラムを中断)したのでは、復職までさらに時間がかかってしまう(リワークまでさらに時間がかかってしまう)とあせる気持ちも起きますが、ここで無理してリワークプログラムを続けよう(無理して復職支援プログラムを続けよう)としても、リワークプログラムは長続きしません(復職支援プログラムは長続きしません)。リワークプログラムなどデイケアが長続きしない(復職支援プログラムなどデイケアが長続きしない)ばかりか、メンタルヘルス症状は悪化していきます。
メンタルヘルス症状が重い場合や、ひとり暮らしなどでメンタルヘルス自己管理(セルフメンタルヘルスケア)が難しい人の場合は、メンタルヘルス科入院治療をすすめられることもあります。メンタルヘルス科専門の入院施設を併設していない復職支援施設(入院施設を併設していないリワーク施設)では、入院施設のある別の復職支援施設(入院施設のある別のリワーク施設)へ転院する場合もあります。
メンタルヘルス症状が軽い人や、ある程度のメンタルヘルス自己管理ができる人(セルフメンタルヘルスケアができる人)、家族と同居しているメンタルヘルス不調の人などは、メンタルヘルス科外来通院治療を受けながら、自宅療養を続けます。しかし、自宅では生活リズムの乱れが整わない人などは、メンタルヘルス科専門病院へ入院してメンタルヘルス不調を立て直すことも、メンタルヘルス科治療のひとつの選択肢になります。
メンタルヘルス症状を崩したのは、自分のもろさをリワークプログラムで発見(復職支援プログラムで発見)するよい機会だったととらえ、メンタルヘルス症状を回復させてから、リワークプログラムに戻り(復職支援プログラムに戻り)ましょう。
メンタルヘルス症状が改善・安定化し、生活リズムの乱れが整ったらリワークプログラムなどデイケアを再開(復職支援プログラムなどデイケアを再開)します。メンタルヘルス症状を崩した要因をみつめ、新たな復職支援目標(リワーク目標)のもとに復職をめざして(リワークをめざして)いきます。
●家族は「見守りベース」で復職支援(家族は「見守りベース」でリワーク)する
⇒メンタルヘルス状態を崩してリワークプログラムに出かけられない患者様(復職支援プログラムに出かけられない患者様)を、家族がしかるのはよくありません。
家族の基本的な復職支援姿勢(基本的なリワーク姿勢)は、リワークプログラム参加者(復職支援プログラム参加者)本人のメンタルヘルス状態がある程度よくなってくるまでは、リワークプログラム参加者本人が自分のペース(復職支援プログラム参加者本人が自分のペース)でリワークプログラムにとりくめる(復職支援プログラムにとりくめる)ように見守ること。メンタルヘルス状態が不良のときは、あえて励ますのをひかえたほうがよい場合もあります。
いっぽう、メンタルヘルス状態がよくなり、リワークプログラム参加者本人(復職支援プログラム参加者本人)が次の復職支援ステップ(リワークステップ)へ踏み切れない場合には、「今日はリワークプログラムに行かない(復職支援プログラムに行かない)の?」など、少しだけ復職支援の言葉(リワークの言葉)をかけてみるのがよいでしょう。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科(メンタルヘルス科)「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。