ホーム > ブログ > リワーク(復職支援)プログラム(その44)
2019年03月27日
千里中央(大阪府 豊中市・北摂 千里ニュータウン)、心療内科 精神科(メンタルヘルスケア科)「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク(復職支援)プログラム」の44回目です。引き続き、リワークプログラム(復職支援プログラム)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワークプログラムなど復職支援デイケア(復職支援プログラムなど復職支援デイケア)で患者様はなにをするか〗(ⅩⅤ)
◎リワークプログラムの流れ(復職支援プログラムの流れ)⑤
~リワークプログラムでの評価(復職支援プログラムでの評価)のポイント~
⇒メンタルヘルス状態の回復度、つまり復職準備性(リワーク準備性)は、主に次のA~Eの5つのポイントからリワークプログラムで評価(5つのポイントから復職支援プログラムで評価)されます。
『A.生活リズムが整っているか(リワークプログラムでの評価ポイント1(復職支援プログラムでの評価ポイント1):メンタルヘルスを管理する力)
➡リワークプログラムの欠席や遅刻(復職支援プログラムの欠席や遅刻)、リワークプログラムの早退(復職支援プログラムの早退)がなく、安定的にリワークプログラムに出席(安定的に復職支援プログラムに出席)できている復職支援状況(リワーク状況)は、生活リズムが整い、メンタルヘルス不調や疲労感がないことの目安になります。また、リワークプログラムでは出席率をチェック(復職支援プログラムでは出席率をチェック)しているが、正当な理由があれば、リワークプログラムを欠席扱い(復職支援プログラムを欠席扱い)とはならないです。働くために必要なメンタルヘルス状態が回復しているか、つまり復職準備性が整っているか(リワーク準備性が整っているか)、メンタルヘルス管理ができるか、などをメンタルヘルス科専門医(精神科医・心療内科医)や復職支援施設(リワーク施設)スタッフが判断します。』
『B.ある程度の作業をこなせるか(リワークプログラムでの評価ポイント2(復職支援プログラムでの評価ポイント2):集中力や活動性)
➡リワークプログラム中(復職支援プログラム中)、眠気や疲労を感じず、リワークプログラムの課題(復職支援プログラムの課題)に対して集中力を持続できるかをメンタルヘルス科専門医師(精神科医師・心療内科医師)や復職支援施設スタッフなど(リワーク施設スタッフなど)が判断します。作業の迅速さや正確さ、問題解決のための対応力をみていきます。』
『C.考え方が柔軟になってきているか(リワークプログラムでの評価ポイント3(復職支援プログラムでの評価ポイント3):指示を受け入れる力)
➡復職支援施設スタッフ(リワーク施設スタッフ)やほかのリワークプログラム参加者(復職支援プログラム参加者)のアドバイスを理解したり、聞き入れられるかをみていきます。例えば、復職支援施設スタッフの指示(リワーク施設スタッフの指示)を1回で理解できるようになってくれば対応力は上がっています。復職支援状況や状態(リワーク状況や状態)にあわせて、自分の考え方ややり方を変えられる柔軟な対応力をメンタルヘルス専門医(心療内科医・精神科医)や復職支援施設スタッフなどが判断(リワーク施設スタッフなどが判断)します。』
『D.リワークプログラムでのグループ活動(復職支援プログラムでのグループ活動)ができるか(リワークプログラムでの評価ポイント4(復職支援プログラムでの評価ポイント4):コミュニケーション力)
➡ほかのリワークプログラム参加者(ほかの復職支援プログラム参加者)や復職支援施設スタッフと関わり(リワーク施設スタッフと関わり)をもち、自分を適切に表現しながら、リワークプログラムでのグループのなかで協調性(復職支援プログラムでのグループのなかで協調性)をもち、リワークプログラムでの役割(復職支援プログラムでの役割)をみつけて復職支援行動(リワーク行動)できるか、例えば、リワークプログラムでのグループの一員(復職支援プログラムでのグループの一員)として、ほかのリワークプログラム参加者と協調(ほかの復職支援プログラム参加者と協調)しながら自分のすべきことができるか、などをメンタルヘルス専門医師(心療内科医師・精神科医師)や復職支援施設スタッフがみていき(リワーク施設スタッフがみていき)ます。』
『E.メンタルヘルス的に落ち着いてきたか(リワークプログラムでの評価ポイント5(復職支援プログラムでの評価ポイント5):主体性と意欲)
➡不安や緊張、怒りなどのメンタルヘルス症状が、周囲とのトラブルを生んでいないか、みていきます。メンタルヘルス的に安定していて、ものごとに積極的に関わることができるか、メンタルヘルス科医療機関の医師および復職支援施設など医療機関(リワーク施設など医療機関)のスタッフが判断します。』
■リワークプログラムでの5つの評価ポイント(復職支援プログラムでの5つの評価ポイント)を総合的に評価
⇒リワークプログラムなどデイケア(復職支援プログラムなどデイケア)の評価表は、実施する復職支援施設(実施するリワーク施設)によって若干の違いはあるものの、基本的生活習慣、作業能力、知的理解力・認知、対人交流、メンタルヘルス的側面という5つのリワークプログラムでの評価ポイントに焦点(5つの復職支援プログラムでの評価ポイントに焦点)をしぼり、患者様のメンタルヘルス状態の回復度を総合的に評価、つまり患者様の復職準備性を総合的に評価(リワーク準備性を総合的に評価)できるようになっています。リワークプログラムでの評価は、過去1ヵ月の継続的な観察(復職支援プログラムでの評価は、過去1ヵ月の継続的な観察)によってつけられます。リワークプログラムでは、項目ごとに何段階かで評価(復職支援プログラムでは、項目ごとに何段階かで評価)され、リワークプログラムでの合計得点が一定の数や比率(復職支援プログラムでの合計得点が一定の数や比率)に達すれば、リワークプログラムを卒業(復職支援プログラムを卒業)となります。
▼某メンタルヘルス科専門医療機関内にある復職支援施設の採点基準(リワーク施設の採点基準)
『4点.とてもメンタルヘルス状態がすぐれている
3点.復職支援施設スタッフの働きかけ(リワーク施設スタッフの働きかけ)などにより、いいメンタルヘルス状態に変えられる
2点.復職支援施設スタッフの働きかけにこたえられる(リワーク施設スタッフの働きかけにこたえられる)が、すべてのメンタルヘルス状態は改善できない
1点.復職支援施設スタッフが働きかけても、自分のやり方を変えない(リワーク施設スタッフが働きかけても、自分のやり方を変えない)ため、すべてのメンタルヘルス状態は全く改善しない
⇓
某復職支援施設などメンタルヘルス科専門医療機関(リワーク施設などメンタルヘルス科専門医療機関)では、リワークプログラムにおいて全項目の平均が3点以上(復職支援プログラムにおいて全項目の平均が3点以上)になることが、復職準備性が整ったことの目安(リワーク準備性が整ったことの目安)になります。ただし、リワークプログラムでの合計得点(復職支援プログラムでの合計得点)が高くても、1点がひとつでもある場合や、2点が多い場合は、よいメンタルヘルス状態とは判断されません。』
厚生労働省の「心の健康問題により休業(メンタルヘルス不調により休業)した労働者の職場復帰支援(リワーク支援)の手引き」(復職支援ガイドライン(リワークガイドライン))でうたわれている「医学的に業務に復職(業務にリワーク)するのに問題がない程度にメンタルヘルス状態が回復した労働者、すなわち復職準備性の整った労働者(リワーク準備性の整った労働者)」の要件は、このリワークプログラム評価表のなかですべて確認(復職支援プログラム評価表のなかですべて確認)できます。
■復職支援施設スタッフの誰(リワーク施設スタッフの誰)がつけてもリワークプログラムでの評価に差(復職支援プログラムでの評価に差)は出ない
⇒リワークプログラム評価表は、客観的な観察に基づいてつける(復職支援プログラム評価表は、客観的な観察に基づいてつける)ため、復職支援施設スタッフの誰がつけてもあまり差が出ない(リワーク施設スタッフの誰がつけてもあまり差が出ない)ように工夫されています。
表にない項目のリワークプログラムにおける評価が必要な場合(復職支援プログラムにおける評価が必要な場合)は、各復職支援施設で項目を追加(リワーク施設で項目を追加)したり、リワークプログラム評価表のコメント欄(復職支援プログラム評価表のコメント欄)に記述するなどの方法がとられています。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科(メンタルヘルス科)「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。