ホーム > ブログ > リワーク(復職支援)プログラム(その26)
2019年01月19日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科(メンタルヘルスケア科)「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク(復職支援)プログラム」の26回目です。引き続き、リワークプログラム(復職支援プログラム)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワークプログラムなど復職支援デイケア(復職支援プログラムなど復職支援デイケア)は全国の復職支援施設(リワーク施設)などメンタルヘルス科医療機関で受けられる〗(Ⅳ)
◎リワークプログラムへの参加条件は?(復職支援プログラムへの参加条件は?)②
~リワークプログラムに参加(復職支援プログラムに参加)するには、ある程度、生活リズムが整っていることが条件~
⇒リワークプログラムなどデイケアに参加(復職支援プログラムなどデイケアに参加)できる条件として、生活リズムが整い、メンタルヘルス症状が安定していることが重要です。リワークプログラムがはじめられる時期(復職支援プログラムがはじめられる時期)は、メンタルヘルス科専門医(精神科医・心療内科医)が見極めます。
■リワークプログラムに参加できる状態(復職支援プログラムに参加できる状態)かどうかメンタルヘルス科専門医師(精神科医師・心療内科医師)にみてもらう
⇒うつ病などのメンタルヘルス不調は、一進一退をくり返しながらメンタルヘルス状態が回復していきます。うつ病などメンタルヘルス不調の「安定期」からリワークプログラムに参加すること(「安定期」から復職支援プログラムに参加すること)で、リワークプログラムの効果(復職支援プログラムの効果)が十分に発揮されます。
うつ病などメンタルヘルス疾患のメンタルヘルス症状がある程度改善してくると、早く復職したい(早くリワークしたい)と、あせる気持ちがわいてくるものです。しかし、あせりは禁物。メンタルヘルス専門医(心療内科医・精神科医)が患者様の様子をみて、リワークプログラムなどデイケアがはじめられる時期(復職支援プログラムなどデイケアがはじめられる時期)かどうかを見極めます。
リワークプログラム開始の第一の条件(復職支援プログラム開始の第一の条件)は、生活リズムが整っていることです。また、通勤ラッシュの時間帯に通勤できる基礎体力や、新聞や雑誌を読めるくらいまでメンタルヘルス状態が回復していることが大切です。
しかし、上記うつ病などメンタルヘルス不調の「急性期」には、気分の落ちこみがひどく、自殺の危険性があるため、薬物治療を受けながら、メンタルヘルスをゆっくりと休養させる時期です。この「急性期」の段階は、メンタルヘルス症状が不安定で、ちょっとしたストレスでも大きな負担になります。無理してリワークプログラムに参加(無理して復職支援プログラムに参加)しても長続きせず、メンタルヘルス症状を崩したり、リワークプログラムを続けられない挫折感(復職支援プログラムを続けられない挫折感)から、上記うつ病などのメンタルヘルス不調を悪化させてしまうこともあります。例えば、リワークプログラム中に居眠り(復職支援プログラム中に居眠り)するなど、リワークプログラム参加の時期(復職支援プログラム参加の時期)が早すぎた場合は、もうしばらくメンタルヘルス状態の回復をみてから、リワークプログラムを開始(復職支援プログラムを開始)します。
次に、「安定期」の段階に入ると、しだいにメンタルヘルス症状が改善し、安定していきます。引き続き薬物治療を受けながら、復職に向けて(リワークに向けて)、新たなリズムをつくっていく時期です。体力面では、リワークプログラムに通っても疲れない程度(復職支援プログラムに通っても疲れない程度)に基礎体力があること、メンタルヘルス面では、「憂うつ感はとれたが、なにかするのはおっくう」と感じる程度にメンタルヘルス状態が回復していることが、リワークプログラム開始の目安(復職支援プログラム開始の目安)です。つまり、リワークプログラムに参加できる目安(復職支援プログラムに参加できる目安)とは、メンタルヘルス状態の回復レベル、すなわち復職準備性(リワーク準備性)についてチェックすると、次の4点が目安になります。①朝早く起きられる、②電車に乗って移動できる、③仕事に関する本が読める、④つらかったことを冷静に振り返って考えられる、などです。実際、リワークプログラムに参加することにより、職場で求められるレベル(復職支援プログラムに参加することにより、職場で求められるレベル)である復職準備性を確認(リワーク準備性を確認)できます。
その後、「維持療法期」の段階では、抑うつ状態がとれて、復職を果たす(リワークを果たす)など、日常生活に戻れる時期です。しばらくは薬物治療や心理療法などを続け、メンタルヘルス疾患の再発を予防します。自分でメンタルヘルス疾患の再発予防をすることにより、自分自身の弱さに気づいて、自己管理能力を高めながら、メンタルヘルス疾患が再発しないように努めていきます。
復職後(リワーク後)、少なくとも1年はメンタルヘルス科専門医療機関での診察を受けます。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科(メンタルヘルス科)「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。