ホーム > ブログ > リワーク(復職支援)プログラム(その20)
2018年11月30日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク(復職支援)プログラム」の20回目です。引き続き、リワークプログラム(復職支援プログラム)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワークプログラムとは?〗(ⅩⅨ)
◎復職支援施設(リワーク施設)などメンタルヘルス科専門の医療機関内でのリワークプログラム(医療機関内での復職支援プログラム)(医療復職支援デイケア(医療リワークデイケア))②
■復職を想定(リワークを想定)しリワークプログラムで模擬面接(復職支援プログラムで模擬面接)、復職間近(リワーク間近)の直前リワークプログラムで実践(直前復職支援プログラムで実践)に近い環境作り
⇒初期のリワークプログラム(初期の復職支援プログラム)など復職支援デイケア(リワークデイケア)で一番の関門になるのが、メンタルヘルス不調で休職に至った経緯を自己分析するリポートの作成です。たとえば、うつ病などメンタルヘルス疾患になったきっかけが、上司とうまくいかなかったことだった場合、なぜ自分だけ上司と対立したのか、自分に問題点はなかったのか、などを振り返り、文章にしていきます。
「会社や仕事といった外的な理由のほかに、自分自身にもうつ病などのメンタルヘルス疾患になる理由があることに気づくことが必要。メンタルヘルス不調になる理由をしっかり認識できないと、同じような事態に陥ったとき、メンタルヘルス不調が再発する可能性が高いからです」
初期のリワークプログラムなどデイケア(初期の復職支援プログラムなどデイケア)に休まず通えるようになったら、より負荷の高い直前リワークプログラムに進み(直前復職支援プログラムに進み)ます。週4日から直前リワークプログラム(週4日から直前復職支援プログラム)を始め、最終的には復職後の勤務状態(リワーク後の勤務状態)に近くなるよう週5日、9時半~16時まで直前リワークプログラム(週5日、9時半~16時まで直前復職支援プログラム)に参加することを目指します。
直前リワークプログラム(直前復職支援プログラム)では各自が自主的に課題を設けるオフィスワークを中心に、セルフメンタルヘルスケアではストレス対処法やコミュニケーションスキルなどを学びます。さらに、職場復帰に向けた(リワークに向けた)会社との面接などを想定して、ほかのリワークプログラム参加者(復職支援プログラム参加者)と一緒にロールプレイ(役割演技法。現実の場面を想定して模擬的に体験し、問題解決の方法を会得)で練習することも行います。メンタルヘルス科専門医(精神科医・心療内科医)は「頭でわかっていても、なかなか行動できない人が多いため」と言います。
直前リワークプログラムで特徴的(直前復職支援プログラムで特徴的)なのが、職場をシミュレーションする「メンバー主体リワークプログラム」(職場をシミュレーションする「メンバー主体復職支援プログラム」)です。リワークプログラムなどデイケア参加者(復職支援プログラムなどデイケア参加者)が小グループに分かれ、リワークプログラム参加者それぞれ(復職支援プログラム参加者それぞれ)が「家族との付き合い方」「上司とうまくやっていく方法」といったメンタルヘルス不調の再発予防につながるテーマを決め、4週間かけてどう対応するか検討し合っていくというもの。最終的にパワーポイントによるプレゼンテーションも行います。
人から評価される場面では、無意識の行動パターンが顔を出すこともあります。何事も完璧にやらなければ気が済まず、徹夜で準備をして生活リズムを崩してしまう人、感情のコントロールができず、孤立してしまう人……。リワークプログラム参加者の中(復職支援プログラム参加者の中)には「自分は変わってきていると思ったのに、休職前と同じことを繰り返していたなんて」とショックを受ける人もいるといいます。
「失敗から学び、いつもの行動パターンを変えることが、うつ病などメンタルヘルス疾患克服のカギになる。失敗と成功を重ねるうちに、自分のものとなっていきます」
■週に1回の「残業」で認知行動療法を学ぶ
⇒さらに、復職が間近に迫っている人(リワークが間近に迫っている人)には、残業を想定したリワークプログラム(残業を想定した復職支援プログラム)も。残業を想定したリワークプログラムなどデイケア(復職支援プログラムなどデイケア)では認知行動療法を学び、落ち込みや不安を減らし、後ろ向きな考え方を修正するすべを身につけます。
リワークプログラムなど復職支援デイケア(復職支援プログラムなど復職支援デイケア)を通じて出席状況、協調性、集中力などを復職支援施設スタッフ(リワーク施設スタッフ)が評価。復職支援施設スタッフの評価(リワーク施設スタッフの評価)が安定し、本人に自信が生まれると、復職へのゴーサイン(リワークへのゴーサイン)が出ます。直前リワークプログラムの期間(直前復職支援プログラムの期間)は人によって異なるが、最低3ヵ月程度はかかるといいます。気になる直前リワークプログラムの費用(直前復職支援プログラムの費用)は、自立支援のための医療費助成を受ければ、本人負担は1日670円となります(1割負担の場合)。
さて、復職間近に実施(リワーク間近に実施)されている、直前リワークプログラムなど復職支援デイケアのテーマ(直前復職支援プログラムなど復職支援デイケアのテーマ)については、「実践的なリワークプログラム(実践的な復職支援プログラム)で復職準備性(リワーク準備性)を高めてメンタルヘルス不調の再発防止に努める。心理的技法によりセルフマネジメント能力を身につける。」ことだと言えます。
具体的に、1つ目のオフィスワークについては、新聞を読む、仕事にかかわる本を読む、パソコン作業、資料作成など、復職後に照準(リワーク後に照準)を合わせた作業を行い、作業能力を回復します。2つ目のセルフメンタルヘルスケアについては、メンタルヘルス疾患や自己への理解を深める講義、個人リワークプログラム(個人復職支援プログラム)や集団リワークプログラム(集団復職支援プログラム)を通し復職後(リワーク後)のストレス対処やセルフコントロールの方法を学びます。3つ目のメンバー主体リワークプログラム(メンバー主体復職支援プログラム)については、メンタルヘルス不調の再発予防をテーマにリワークプログラム参加者が運営(復職支援プログラム参加者が運営)します。決められた時期までに資料を作成し、プレゼンを行います。会社での会議を模して、意見交換も。4つ目の認知行動療法については、ネガティブな考え方をしてしまうのが、うつ病などメンタルヘルス疾患の特徴。考え方の偏りに気づき、現実的な考え方や行動を検討していきます。
この復職間近に迫った(このリワーク間近に迫った)時期に実施されている、直前リワークプログラムなど復職支援デイケア(直前復職支援プログラムなど復職支援デイケア)によって、これまでに約400人以上のリワークプログラム終了者(復職支援プログラム終了者)が職場へ復職(職場へリワーク)。一般的にうつ病休職者などメンタルヘルス不調者の約半数が復職後に再休職(リワーク後に再休職)すると言われるが、リワークプログラムなどデイケア終了者(復職支援プログラムなどデイケア終了者)の再休職は20%という成果を出しています。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。