ホーム > ブログ > リワーク(復職支援)プログラム(その14)
2018年11月17日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク(復職支援)プログラム」の14回目です。引き続き、リワークプログラム(復職支援プログラム)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワークプログラムとは?〗(ⅩⅢ)
◎リワークプログラムなどデイケアに参加(復職支援プログラムなどデイケアに参加)④
~リワークプログラム当事者(復職支援プログラム当事者)どうしにしかできないメンタルヘルスケアがあります~
精神科や心療内科などメンタルヘルス科の外来診療とリワークプログラムなどデイケア(復職支援プログラムなどデイケア)には、どちらも重要な役割があります。メンタルヘルス科の外来診療ではメンタルヘルス症状をやわらげ、メンタルヘルス状態の回復をはかります。メンタルヘルス不調や生活リズムが落ち着いたら、リワークプログラムなど復職支援デイケア(復職支援プログラムなど復職支援デイケア)でメンタルヘルス状態の回復レベルをさらに上げて、復職準備性(リワーク準備性)を整えていきます。
メンタルヘルス科の外来診療はメンタルヘルス専門医(精神科医・心療内科医)や心理士(カウンセラー)との面談が中心。薬物療法や心理療法を受けて、メンタルヘルス症状を解消させていくのが主な目的になります。基本的にはメンタルヘルス専門医師(精神科医師・心療内科医師)と1対1のやりとり。生活指導は本人の申告や様子に対する指導となります。
それに対し、リワークプログラムなどデイケアの活動(復職支援プログラムなどデイケアの活動)では同じメンタルヘルス疾患にかかっているリワークプログラム仲間(復職支援プログラム仲間)とグループをつくります。考え方や働き方の見直しがリワークプログラムでの主な目的(復職支援プログラムでの主な目的)になります。また、生活面の悩みなどを、リワークプログラム仲間に相談(復職支援プログラム仲間に相談)できます。リワークプログラムで各自の個人的な経験を伝え合い(復職支援プログラムで各自の個人的な経験を伝え合い)、互いに参考にできます。メンタルヘルス科の外来診療だけでもメンタルヘルス症状の解消ははかれますが、復職をめざす(リワークをめざす)のであれば、より高いメンタルヘルス状態の回復レベルを求めることで、復職準備性を整える(リワーク準備性を整える)必要があります。リワークプログラムなど復職支援デイケアでの重要な役割(復職支援プログラムなど復職支援デイケアでの重要な役割)が、復職準備性の確認(リワーク準備性の確認)です。
■リワークプログラム仲間だから言える(復職支援プログラム仲間だから言える)こと、伝わることがある
⇒リワークプログラム当事者の多く(復職支援プログラム当事者の多く)が、「リワークプログラムなどデイケアで出会った仲間(復職支援プログラムなどデイケアで出会った仲間)の言葉には、素直に耳を傾けることができた」「リワークプログラム仲間の言葉(復職支援プログラム仲間の言葉)は参考になった」と言います。
メンタルヘルス科専門医(心療内科医・精神科医)や家族から言われても、上から指示されているようで納得できないことが、リワークプログラム仲間からの助言(復職支援プログラム仲間からの助言)であれば受け入れやすいのです。
同じメンタルヘルス疾患にかかっているからこそ、メンタルヘルス症状のつらさや治療の厳しさがわかり、共感的な言葉をかけることができるのでしょう。
■リワークプログラム当事者どうし(復職支援プログラム当事者どうし)の支え合い「ピアサポート」
⇒リワークプログラム参加者(復職支援プログラム参加者)などメンタルヘルス疾患に悩む当事者どうしが復職支援デイケア(リワークデイケア)で交流することのように、同じ立場の人が互いに支え合うことを「ピアサポート」といいます。ピアは仲間という意味です。
ピアサポートは、リワークプログラム参加者の心の支え(復職支援プログラム参加者の心の支え)となります。
リワークプログラムなどデイケアで当事者どうしが話し合っている(復職支援プログラムなどデイケアで当事者どうしが話し合っている)とき、メンタルヘルス科専門医師(心療内科医師・精神科医師)や復職支援スタッフ(リワークスタッフ)はあまり助言をしません。助言すれば、それは治療になってしまうからです。リワークプログラム当事者どうしの支え合う力(復職支援プログラム当事者どうしの支え合う力)が発揮されるよう、メンタルヘルス科医や復職支援施設(リワーク施設)スタッフはそっと見守っています。
具体的には、すでに復職に成功(リワークに成功)した人や、メンタルヘルス不調の回復が進んでいる人が「先輩」となり、ほかのリワークプログラム参加者(ほかの復職支援プログラム参加者)に助言したり、復職支援相談(リワーク相談)にのったりします。まだ治療中の「後輩」は、メンタルヘルス科医師や家族になかなか聞きにくいことをほかのリワークプログラム参加者に相談(ほかの復職支援プログラム参加者に相談)・質問します。復職支援施設など医療機関(リワーク施設など医療機関)の医師は、リワークプログラム当事者どうしのやりとり(復職支援プログラム当事者どうしのやりとり)を見守っています。リワークプログラム参加者が口論(復職支援プログラム参加者が口論)になりそうなときや、明らかな誤りが広まりそうなときにだけ、リワークプログラム当事者どうしの話(復職支援プログラム当事者どうしの話)に参加し、話のなりゆきはリワークプログラム当事者どうしにまかせ(復職支援プログラム当事者どうしにまかせ)、様子をみています。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。