ホーム > ブログ > リワーク(復職支援)プログラム(その6)
2018年10月20日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク(復職支援)プログラム」の6回目です。引き続き、リワークプログラム(復職支援プログラム)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワークプログラムとは?〗(Ⅴ)
◎リワークプログラムのメリット(復職支援プログラムのメリット)③
~本人も職場も復職の時期(リワークの時期)を判断しやすい~
復職をめざす人(リワークをめざす人)は、「早く復職(早くリワーク)したい」という気持ちと、「仕事ができるか、自信がない」という不安の間で揺れ動いています。リワークプログラムは患者様の主観ではなく、客観的な評価(復職支援プログラムは患者様の主観ではなく、客観的な評価)で、復職の時期を判断(リワークの時期を判断)できます。
復職ができるかどうか(リワークができるかどうか)の判断は、主治医(精神科医・心療内科医)の復職可能診断(リワーク可能診断)をもとに、産業医や職場の復職審査委員会(リワーク審査委員会)などが決定します。復職判定(リワーク判定)のときに、重要な情報となるのが、どこまでメンタルヘルス不調が回復したのかを示す客観的な評価です。
■復職準備性(リワーク準備性)が客観的に評価される
⇒まだメンタルヘルス不調の回復が十分ではないのに復職を急ぎ(リワークを急ぎ)すぎれば、それだけ負担は大きくなり、メンタルヘルスを崩す危険性が高まります。
リワークプログラムでは、負荷のかかった状況でも仕事ができることを示す「復職準備性」を客観的に評価(復職支援プログラムでは、負荷のかかった状況でも仕事ができることを示す「復職準備性」を客観的に評価)できるのが特徴です。
リワークプログラム評価表(復職支援プログラム評価表)を使い、メンタルヘルス不調がどのくらい改善しているのか、集団内での交流はどうか、などの状態を数字で示します。こうしたリワークプログラムでの客観的な評価(復職支援プログラムでの客観的な評価)が復職に向けての具体的な問題解決(リワークに向けての具体的な問題解決)に役立ちます。
●職場にも主治医(精神科医師・心療内科医師)にも状態が伝わる
⇒本人がどんな状態までメンタルヘルス不調から回復しているか、復職支援関係者(リワーク関係者)間で情報を共有することは、スムーズな復職(スムーズなリワーク)のための大事なポイントです。
まず職場には復職後(リワーク後)の配慮について、再休職をせずに働き続けるポイントなどが、復職支援施設スタッフ(リワーク施設スタッフ)から人事や上司に伝えられます。本人のメンタルヘルス状況を知ることで、職場環境の調整に役立ちます。産業医にも同様に、リワークプログラム中(復職支援プログラム中)の患者様の様子や、復職への準備(リワークへの準備)がどれくらい整っているか、復職後に配慮(リワーク後に配慮)したほうがよいことなどが伝えられます。復職に向けて(リワークに向けて)どこまでメンタルヘルス不調が回復したかわかると同時に、復職時(リワーク時)の対応や復職後の環境調整(リワーク後の環境調整)の参考にもなります。
次に、復職支援施設(リワーク施設)などメンタルヘルス専門医療機関のメンタルヘルス科専門医(心療内科医・精神科医)から主治医(心療内科医師・精神科医師)に対し、医学的にうつ病などメンタルヘルス疾患が職場に似た環境でのリワークプログラム実施(復職支援プログラム実施)にて、どの程度回復したか、メンタルヘルス症状に波はないかなどを情報提供します。情報提供を受けて、主治医が処方を変えたり、復職可能の診断書を書くか(リワーク可能の診断書を書くか)を判断します。本人の同意があれば、復職支援施設など(リワーク施設など)リワークプログラム実施機関(復職支援プログラム実施機関)に対し、リワークプログラムの状況(復職支援プログラムの状況)をよりくわしく聞くこともできます。ただし、本人のメンタルヘルス状態やリワークプログラムでの総合評価(復職支援プログラムでの総合評価)などは、個人情報保護の観点から、本人の同意なしに開示されることはないです。
本人にとっても、リワークプログラムでの面談(復職支援プログラムでの面談)によって、自分が抱える問題点がみえるなど、自分のメンタルヘルス状態をリワークプログラムでの客観的な評価(復職支援プログラムでの客観的な評価)で把握することができます。そのうえで復職に向けての目標(リワークに向けての目標)を立てて改善していく努力が、治療上欠かすことができません。また、あせりや不安の解消にも役立ちます。
●家族も安心できる
⇒メンタルヘルス不調によって患者様への対応は変わります。そのため、家族にとっても患者様のメンタルヘルス不調からの回復度合いを知ることは欠かせません。
診察に同伴したり、家族向けリワークプログラム(家族向け復職支援プログラム)などで主治医や復職支援スタッフ(リワークスタッフ)に患者様の様子を聞くことで、接し方がみえてきます。
■復職支援機関(リワーク機関)などメンタルヘルス科専門医療機関によって、復職支援スタッフの職種(リワークスタッフの職種)が違う
⇒医療機関でのリワークプログラム(医療機関での復職支援プログラム)はほとんどの場合、メンタルヘルス科デイケアやメンタルヘルス科ショートケアなどの診療報酬上の枠組みのなかでおこなわれています。リワークプログラムで関わる(復職支援プログラムで関わる)復職支援スタッフの職種や人数(リワークスタッフの職種や人数)は、枠組みごとに国の基準で決められています。したがって、多くの場合は、基準にそった職種と人数の復職支援スタッフが働いて(リワークスタッフが働いて)いますが、なかには基準以上の復職支援スタッフを加えて(リワークスタッフを加えて)いるところもあります。
■職種を気にせず気軽に相談を
⇒リワークプログラムでは、ふだんの治療とはちがいリハビリ(復職支援プログラムでは、ふだんの治療とはちがいリハビリ)であるため、なじみがなかった復職支援スタッフも関わり(なじみがなかったリワークスタッフも関わり)ます。
リワークプログラム利用者(復職支援プログラム利用者)として、誰にどんな相談をしてよいのか戸惑ってしまうかもしれません。しかし、心配は無用。どんな職種の復職支援スタッフ(どんな職種のリワークスタッフ)でも、同じ復職支援目的(リワーク目的)で関わっているので、復職支援スタッフの職種の違い(リワークスタッフの職種の違い)はあまり気にせず、気軽に復職支援相談(リワーク相談)できます。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。