ホーム > ブログ > リワーク(復職支援)プログラム(その5)
2018年10月19日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク(復職支援)プログラム」の5回目です。引き続き、リワークプログラム(復職支援プログラム)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワークプログラムとは?〗(Ⅳ)
◎リワークプログラムのメリット(復職支援プログラムのメリット)②
~職場で求められるレベルまでのメンタルヘルス不調からの回復~
自宅で休養していてメンタルヘルス症状が出ないことと、職場で働けるようになることでは、メンタルヘルス不調からの回復レベルが違います。リワークプログラムでは、職場で求められるレベル(復職支援プログラムでは、職場で求められるレベル)までのメンタルヘルス不調からの回復をめざしています。
職場で働くということは、多くのストレスにさらされます。職場まで通勤すること、与えられた業務をある期間内に、一定のレベルまで遂行することが求められます。また、職場の人などの対人関係も大きく関係します。これらのストレスのなかでつぶれず、自分の力を発揮して働くのは、大変なことなのです。
診察室での患者様の様子や、患者様の話からメンタルヘルス症状が改善したと判断するレベルでは、負荷がない状態でのメンタルヘルス不調からの回復のため、復職できる(リワークできる)とは限りませんが、このレベルでうつ病の症状などメンタルヘルス症状は回復したと判断され、すぐに復職する(すぐにリワークする)人もいます。
■主治医(精神科医・心療内科医)が復職の判断(リワークの判断)をするのが難しくなっている
⇒復職できるところ(リワークできるところ)までメンタルヘルス不調が回復しているかどうか、主治医(精神科医師・心療内科医師)なら復職判断できる(リワーク判断できる)と思っていませんか。じつは、この復職判断はとても難しい(リワーク判断はとても難しい)のです。
もともと主治医(心療内科医・精神科医)は診察室でのみ患者様と接し、日頃の様子も患者様から聞きとります。患者様が仕事に復職(仕事にリワーク)したとき、どんな人間関係のなかで業務をおこなうのかもわかりません。
診察室での復職可能診断(リワーク可能診断)はもともと限界があるのです。
近年の働く人の環境は複雑で、抱える問題も深刻化しています。また、うつ病などメンタルヘルス不調自体も軽症タイプが目立ち、慢性化しやすい傾向があります。
こうしたなかで、復職を成功させる力(リワークを成功させる力)をつけるには、リワークプログラムが役に立つ(復職支援プログラムが役に立つ)のです。
●リワークプログラムで復職準備性を確認(復職支援プログラムで復職準備性を確認)
⇒うつ症状などメンタルヘルス症状が改善したあと、リワークプログラムを受ける(復職支援プログラムを受ける)と、メンタルヘルス状態がさらに回復していきます。毎朝会社に通い、作業に集中してとりくむことができるようになるなど、職場で求められるレベルである復職準備性(リワーク準備性)が整い、復職後(リワーク後)、メンタルヘルス疾患が再発せずに仕事が続けられます。つまり、ストレスなどの負荷がかかる状況でも、メンタルヘルス疾患が再発せずに仕事が続けられるかどうかの目安を「復職準備性」(再発せずに仕事が続けられるかどうかの目安を「リワーク準備性」)といい、復職準備性を確認するのがリワークプログラム(復職準備性を確認するのが復職支援プログラム)です。
復職に向けて(リワークに向けて)リワークプログラムを受けた場合(復職支援プログラムを受けた場合)、リワークプログラムによって働くための準備が整い(復職支援プログラムによって働くための準備が整い)、うつ病などメンタルヘルス疾患を再発することなく、復職に成功(リワークに成功)しているため、メンタルヘルス疾患や自分の弱点を理解し、自己コントロールがうまくなります。
一方、復職に向けた準備(リワークに向けた準備)をしなかった場合、まだ働けるレベルではないのに復職する(働けるレベルではないのにリワークする)と、無理がたたり、うつ病などのメンタルヘルス疾患が再発するリスクが高くなるため、以前と同じようなことでストレスを抱えこみ、同じ失敗をくり返します。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。