ホーム > ブログ > リワーク(復職支援)プログラム(その4)
2018年10月18日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク(復職支援)プログラム」の4回目です。引き続き、リワークプログラム(復職支援プログラム)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワークプログラムとは?〗(Ⅲ)
◎リワークプログラムのメリット(復職支援プログラムのメリット)①
~自分のもろい部分との付き合い方がわかる~
復職を成功(リワークを成功)させるには、職場の環境など外的条件を整えるだけでは十分ではありません。リワークプログラムではさまざまな方法を用い(復職支援プログラムではさまざまな方法を用い)、ストレスをためこみやすい自分のもろさをみつめ直し補いながら、長所を発揮できるように改善していくことを目指します。自分のもろさは、自分ではわかりにくいです。リワークプログラムを受ける(復職支援プログラムを受ける)と、復職支援スタッフ(リワークスタッフ)の客観的な視点で、本人に気づかせることができます。
また、うつ病などメンタルヘルス不調を抱える労働者は2つの側面をもち、病気である「患者様」としての一面と、企業や社会に責任をもつ「社員」としての一面があります。患者様としての面は、「ストレスや疲労をためこみ、メンタルヘルス不調をきたすもろい部分をもつ」「負担をかけすぎないように、周囲から配慮され、守られるべき存在」等です。一方、社員としての面は、「得意なことや優れた点をいかして、企業や社会に貢献する」「業務指示のもと、ときには自分が好まないことにも従事する」「企業などの組織のなかで自分の役割を発揮して働き、利益を上げる」等です。つまり、職場の規律や秩序を乱さないよう、ほかの社員との公平性を保ちながら、相反する2つの面を両立させることで、自分の強さともろさを自覚してメンタルヘルス面のバランスをとれるようにします。
■弱いところから崩れないようになる
⇒リワークプログラムの特徴(復職支援プログラムの特徴)のひとつは、うつ病などメンタルヘルス不調の再発を防ぐための心理教育がくみこまれていること。せっかく休養と薬物療法でメンタルヘルス症状が改善しても、ストレスに対するもろさが改善していなければ、職場に復職したとき(職場にリワークしたとき)、同じように崩れてしまう可能性があります。
リワークプログラムでは、そうしたもろさに自分で気づき、改善すること(復職支援プログラムでは、そうしたもろさに自分で気づき、改善すること)で、メンタルヘルス不調の再発予防をめざします。
■弱い部分をセルフメンタルヘルスケアできるようになる
⇒自分自身のもろさに気づくのは、意外に難しいことです。そこで、職場の環境に似たリワークプログラムを実践(復職支援プログラムを実践)しながら、自分のメンタルヘルス症状に影響を与えるものや、考え方や行動パターンのクセなどに気づき、自己コントロールする方法を身につけていきます。また、再休職を防ぐ方法を、リワークプログラム参加者(復職支援プログラム参加者)の前で発表してアドバイスをもらうことで、ⓐどうして休職することになったのか、その理由となった自分のもろさや考え方のクセを理解したり、ⓑリワークプログラムのなかで過去の失敗に学び(復職支援プログラムのなかで過去の失敗に学び)、同じことをくり返さないよう方策を立てることにより、ⓒ実際に危機的場面に直面したとき、乗り越えられるようになっていきます。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。