2018年10月07日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の117回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワーク(Re-Work)とは?〗(ⅩⅩⅦ)
◎職場復帰再教育(リワーク再教育)・職場復帰訓練の制度(リワーク訓練の制度)
⇒従来、一部の企業では、メンタルヘルス疾患により休業した労働者で、期待される業務遂行能力の回復に長期間を要すると考えられる者が、復職をしたうえで負荷の低い業務に従事(リワークをしたうえで負荷の低い業務に従事)できるような部署(職場復帰訓練班(リワーク訓練班))を設け、運営してきました。復職訓練班で行われる業務(リワーク訓練班で行われる業務)は、比較的単純な繰り返し作業、事業場内の緑化・清掃、工具類の維持管理などで、細かい指示命令は出されなかったです。本制度の狙いは、当該労働者が、事業場内で何らかの作業をすることを通じて、時間はかかっても少しでも業務遂行能力を高め、少しでも元の水準に近い職務に就けるようになることにありました。復職訓練班の対象者(リワーク訓練班の対象者)には、外傷や脳血管疾患などにより少なからぬ後遺障害を負った者に加えて、統合失調症や気分障害(うつ病、躁うつ病)などのメンタルヘルス障害に罹患した労働者も含まれていました。
当初、この職場復帰訓練班は、労働者から好評(リワーク訓練班は、労働者から好評)をもって迎えられました。メンタルヘルス保健活動の観点からは、集団療法的な効果も期待されたかもしれないです。しかし、数年にわたる経過をみると、必ずしも狙い通りの成果を挙げられたわけではなかったです。雇用が安定していたという時代背景もあろうが、配属された労働者の多くは復職訓練班での仕事(リワーク訓練班での仕事)や居心地に安心感、さらにはある意味での満足感を覚え、業務遂行能力の向上が見込める労働者にも、作業水準を高める意欲があまり感じられない事態がみられました。
今後、こうした復職訓練班による取り組み(リワーク訓練班による取り組み)を推進する場合は、労働者それぞれに短期および中期の作業達成目標を立て、それに向けての計画、定期的な作業の評価などを行うシステムを構築するなど、復職訓練の制度設計(リワーク訓練の制度設計)の工夫が必要でしょう。
◎公務員の職場復帰支援(リワーク支援)
⇒労働安全衛生法の適用にならない国家公務員については、2005(平成17)年人事院が「円滑な職場復帰(円滑なリワーク)及びメンタルヘルス疾患の再発防止のための受入方針」を各省各庁に示し、2010(平成22)年には「試し出勤」の制度などを新たに盛り込んだ改定がなされました。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。