2018年09月16日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の105回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワーク(Re-Work)とは?〗(ⅩⅤ)
◎リワークプログラム(復職支援プログラム)❸
⇒職場復帰支援プログラム(リワーク支援プログラム)は、メンタルヘルス疾患のために休業した労働者が再び就労し、それを継続できるように職場復帰支援(リワーク支援)することを目的としており、その復職支援の目的達成(リワークの目的達成)を目指した様々な取り組みを指します。
このリワークプログラムの取り組み(復職支援プログラムの取り組み)の法的根拠は、国際労働機関による「1983(昭和58)年の職業リハビリテーション及び雇用(障害者)条約(第159号)」に求めることができます。この条約に日本は1992(平成4)年に批准しています。この条約では、「障害者 disabled person」を「身体的又はメンタルヘルス的障害のため適当な職に就き、これを継続し及びその職業において向上する見通しが相当に減少している者」と定義しています。それが目的とするのは、そうした障害者が「適当な職業に就き、これを継続し及びその職業において向上することを可能に」することです。その手段が「職業リハビリテーション vocational rehabilitation」です。そこには、一般労働者のための職業指導、職業訓練、職業紹介、雇用および関連の事業を、障害者向けに調整した、いわゆる職業リハビリテーションのほかにも、本来はメンタルヘルスの機能回復を目的とする医療的リハビリテーションの手法を就労や職場復帰に応用(リワークに応用)したものや、従業員支援プログラム(employee assistance program : EAP)サービスの一環として行われるものが含まれます。
地域障害者職業センターで実施される「リワーク支援」は、職業指導や職業訓練などの手法をメンタルヘルス障害者向けに調整したものと考えることができます。メンタルヘルス専門医療機関内にある復職支援施設(リワーク施設)における「リワークプログラム」は、メンタルヘルス科リハビリテーションを職場復帰支援に応用したもの(「復職支援プログラム」は、メンタルヘルス科リハビリテーションを職場復帰支援に応用したもの)と位置づけられます。また、EAP事業者などが行っているリワークプログラム(EAP事業者などが行っている復職支援プログラム)は、個人カウンセリングや組織コンサルテーションの手法を発展させたものです。
次回以降では、上記のような背景をもつリワークプログラムの理論と実践(復職支援プログラムの理論と実践)について概観した後、メンタルヘルス専門医療機関での戦略的リワークプログラム(戦略的復職支援プログラム)について述べます。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。