2018年09月15日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の104回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワーク(Re-Work)とは?〗(ⅩⅣ)
◎リワークプログラム(復職支援プログラム)❷
⇒最近は、メンタルヘルス専門医療機関内にある復職支援施設(リワーク施設)など民間医療機関でリワークプログラムを実施(民間医療機関で復職支援プログラムを実施)するところも増加しています。復職支援施設の多く(リワーク施設の多く)はデイケアの枠を利用してのリワークプログラムへの取り組み(復職支援プログラムへの取り組み)です。メンタルヘルス専門医療機関内にある復職支援施設など医療機関(リワーク施設など医療機関)におけるリワークプログラムの特徴(復職支援プログラムの特徴)は表1のように整理できます。2008年(平成20年)には全国規模の研究会も発足し、復職支援施策(リワーク施策)の提言に続き、復職支援の標準的なプログラム(リワークの標準的なプログラム)についても検討が進められています。リワークプログラムの修了者(復職支援プログラムの修了者)に対して、職場復帰後(リワーク後)土曜日等に参加できるリワークプログラムを開設(復職支援プログラムを開設)しているところもあります。
◇表1 職場復帰支援施設(リワーク支援施設)など医療機関におけるリワークプログラムの特徴(医療機関における復職支援プログラムの特徴)
『■集団を対象とする
・同じ悩みを持った仲間の存在
・対人関係を扱う、いわば実験室
■対象を限定している
・治療中のうつ病などメンタルヘルス障害圏の休職者
・復職および再休職の予防(リワークおよび再休職の予防)が目標
■リハビリテーションの要素である
・治療の一環
・開始条件があり、一定のステップに加え中止もある
・指標はメンタルヘルス症状の安定性とメンタルヘルス症状の持続
・復職準備性(リワーク準備性)の評価基準
■心理社会的療法を用いる
・メンタルヘルス疾病教育、セルフマネジメント
・服薬アドヒアランスの向上
・メンタルヘルス疾患の発症メカニズムの自己理解
・認知行動療法などの実施や応用など』
現在のリワークプログラム参加者(復職支援プログラム参加者)は、障害者職業センター、復職支援施設など民間医療機関(リワーク施設など民間医療機関)とも、うつ病などメンタルヘルス障害圏の割合が高くなっています。その他、民間団体でもうつ病者などメンタルヘルス不調者を対象にしたリワークプログラムを実施(復職支援プログラムを実施)しているところがあります。
現場で職場復帰支援(リワーク支援)に関わっている復職支援スタッフ(リワークスタッフ)に、リワークプログラムは、おおむね好評(復職支援プログラムは、おおむね好評)をもって迎えられていると言えるでしょう。特に職場復帰支援施設など医療機関(リワーク支援施設など医療機関)においては、リワークプログラム運営(復職支援プログラム運営)に要する労力や時間と診療報酬とのバランスの問題など、さらにリワークプログラムを普及(復職支援プログラムを普及)していくために提供復職支援施設(提供リワーク施設)の間で検討されるべき点は残っているものの、今後もリワークプログラムが洗練化、標準化(復職支援プログラムが洗練化、標準化)されていけば高い成果が期待されます。しかし他方で、リワークプログラムは、労働者個人を対象とした働きかけが中心(復職支援プログラムは、労働者個人を対象とした働きかけが中心)であり、リワークプログラムだけでは受け入れ職場への介入には強い限界(復職支援プログラムだけでは受け入れ職場への介入には強い限界)があるのも事実です。それは、主として事業場内の産業保健職などが尽力すべき活動になります。事業場内の産業保健職は、リワークプログラムに対して過度の期待(復職支援プログラムに対して過度の期待)を抱き、職場側の受け入れ状況の改善に向けた取り組みを怠ることになってはならないです。リワークプログラムを実施、運営(復職支援プログラムを実施、運営)しているメンタルヘルス専門の復職支援機関(リワーク機関)と職場との連携のあり方が今後の課題です。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。