2018年08月28日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の95回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワーク(Re-Work)とは?〗(Ⅴ)
◎「復職支援手引き」の概要(「リワーク手引き」の概要)と具体的な復職支援の進め方(リワークの進め方)❸
⇒②<第2ステップ>
メンタルヘルス不調が回復し、本人から職場復帰を希望(リワークを希望)する意思表示が出されます。本人の職場復帰への意思表示(リワークへの意思表示)と主治医(精神科医・心療内科医)の承諾があって初めて、上司、産業保健スタッフ、人事労務管理部署などによる職場復帰の具体的な検討(リワークの具体的な検討)が開始されることになります。休業が長びいても、産業保健スタッフや上司など職場関係者の方から本人あるいは家族に対して職場復帰を強制する(リワークを強制する)ような働きかけは行うべきではないです。
主治医(精神科医師・心療内科医師)の復職に関する(リワークに関する)意見書には、メンタルヘルス不調の経過と回復の程度に加え、望ましい就業上の配慮、職場で特に留意すべき点、本人、家族と職場復帰について(リワークについて)話し合った事柄などを記述してもらいます。そのために、職場で主治医(心療内科医・精神科医)に記入を求める様式(情報提供依頼書)を用意するとよいです。情報提供依頼書には、表1に示した情報を付けることを勧めたいです。これは、第1ステップで伝えておいてもよいです。
◇表1 主治医(心療内科医師・精神科医師)への情報提供依頼書に記す事業場のメンタルヘルス管理に関する情報例
『・情報提供の宛先氏名とその立場(職種) 例:産業医
・事業場内産業保健スタッフの陣容
・主治医から提供された情報の管理方法および管理責任者
・主治医から提供された情報が共有される範囲(職種)
・主治医から提供された情報がどのように活用されるかの概要
・事業場の個人情報保護に関する仕組み、規定の要点』
産業医が選任されている事業場では、主治医の意見書を産業医(および看護職)だけが確認し、上司や人事労務管理部署には、その情報を一部加工して伝えることが可能となります。その場合の情報の流れは、図1のようになります。これは、当該労働者の個人情報保護にとって、望ましい形と言えます。
◇図1 望ましい情報の流れ・情報管理
『■主治医
・病名
・治療の経過
・メンタルヘルス症状の改善状況
・生活リズムの回復状況
・治療薬およびその副作用
・推定される業務遂行能力
・メンタルヘルス疾患の再発・再燃の可能性
・今後の治療に関する見通し
・その他の医学的問題など
⇓
■産業医、看護職など
・治療薬の副作用
・推定される業務遂行能力
・職場で配慮すべき点
・職場で注意すべき点
・安全管理上の問題
・メンタルヘルス疾患の再発・再燃の可能性など
⇓
■上司、人事労務管理部署』
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。