2018年08月27日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の94回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワーク(Re-Work)とは?〗(Ⅳ)
◎「復職支援手引き」の概要(「リワーク手引き」の概要)と具体的な復職支援の進め方(リワークの進め方)❷
⇒①<第1ステップ>
職場復帰支援(リワーク支援)は、当該労働者が主治医(精神科医・心療内科医)からの休業に関する意見書が提出された時点から始まります。休業中は、本人ができるだけ不要な心配や不安を抱かぬよう、また家族や親族が安心して復職支援ができる(安心してリワークができる)よう、職場から休業および職場復帰に関する(リワークに関する)社内の諸制度(休業可能期間、休業中の補償などを含む)を彼らにわかりやすく伝えます。状況によっては、国や地方自治体の公的支援制度(高額療養費制度、自立支援医療制度、市町村の精神保健事業、精神障害者保健福祉手帳制度、障害年金制度)に関する情報も提供するとよいです。ただし、産業保健スタッフが家族と接触を図る際には、家族内の問題に立ち入ることになる可能性があり、それによって、その後の対応に困難をきたす恐れもあることに注意が必要です。また、この時期に本人を通して、職場から主治医(精神科医師・心療内科医師)に対して、表1に示した情報を発信するとよいです。そうすることで、職場復帰に際して(リワークに際して)主治医(心療内科医・精神科医)からより具体的な意見を得られやすくなります。産業保健職が本人と定期的に連絡をとったほうが、円滑な職場復帰(円滑なリワーク)を促進できる例もあるが、主治医(心療内科医師・精神科医師)との連携のもとで行うのがよいです。
◇表1 主治医に職場復帰に関する意見(リワークに関する意見)を求める際に提供したい情報
『・従前の本人の職務内容
・従前の本人の仕事ぶり、職場での人間関係
・従前の本人の職場における評価(業績)
・職場からみたメンタルヘルス疾患発症の要因(誘因)
・同僚や上司のおよその作業負荷
・職場の休業に関する諸制度(認められる休業期間、休業期間中の補償など)
・職場がメンタルヘルス不調休業者に対して職場復帰を認める(リワークを認める)ための要件(メンタルヘルス状態の回復度)
・試し出勤制度(正式な職場復帰前(リワーク前)に、一定期間出勤を試みる制度)の有無と内容
・就業面の配慮(短縮勤務、出張回避、配置転換など)が可能な範囲』
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。