2018年07月09日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の71回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖職場復帰後(リワーク後)の経過(Ⅲ)〗
■安定期:復職後7ヵ月目~1年経過(リワーク後7ヵ月目~1年経過)
復職後半年(リワーク後半年)を過ぎてから1年に差しかかる頃を、われわれは「真の復職(真のリワーク)の段階」と位置づけています。職場においては、特別扱いされることなく1ヵ月に20時間ほどの残業もこなし、周囲の期待にもある程度応え、自分でも満足感を得はじめている真の復職の時期(真のリワークの時期)です。この真の復職の時期まで順調(この真のリワークの時期まで順調)に就労できている労働者は、よくも悪くも働いていることが「当たり前」になっています。しかし、その「常態化と慣れ」にもし慢心が加われば、かつてメンタルヘルス不調になる前と同じように働いてしまい、ここにメンタルヘルス不調の再燃のリスクが潜んでいると考えられます。
土曜フォローアップのリワークプログラム(復職支援プログラム)では、この真の復職の時期の参加者(この真のリワークの時期の参加者)へは「新たな働き方の“実践”」を促しています。平日にリワークプログラムへ参加(復職支援プログラムへ参加)していた頃に身につけた、自らを理解した上での新たな働き方を実践してもらうのです。職場でのいろいろな場面において、「うつ病などメンタルヘルス不調になる前の自分であればこのようにとらえて自滅していたが、今回は視点を変えてみた」「以前であればこのような態度をとっていたが、今回はあえてリワークプログラムで学んだ(復職支援プログラムで学んだ)考え方でやってみた」というように新しい働き方を実践し、その結果どうなったか、どう思ったかなどを発表してもらいます。ほかのリワークプログラム参加者(復職支援プログラム参加者)は平日のリワークプログラムでの成果(復職支援プログラムでの成果)を支持し、本人も新しい働き方がようやく自分のものになっていきます。
⇒『(メンタルヘルス不調の再発・再燃のリスク)
・真の復職の段階(真のリワークの段階)
・職場で特別扱いされることなく1ヵ月に20時間ほどの残業もこなし、周囲の期待にもある程度応え、自分でも満足感を得はじめている時期
・よくも悪くも働いていることが「当たり前」になっている
・しかし、その「常態化と慣れ」にもし慢心が加われば、かつてメンタルヘルス不調になる前と同じように働いてしまい、ここにメンタルヘルス不調の再燃のリスクが潜んでいる』
⇒『(アドバイスのポイント)
・新たな働き方の“実践”を促す
・平日にリワークプログラムへ参加(平日に復職支援プログラムへ参加)していた頃に身につけた、自らを理解した上での新たな働き方を実践してもらう
・職場でのいろいろな場面において、「うつ病などメンタルヘルス不調になる前の自分であればこのようにとらえて自滅していたが、今回は視点を変えてみた」「以前であればこのような態度をとっていたが、今回はあえてリワークプログラムで学んだ考え方(復職支援プログラムで学んだ考え方)でやってみた」というように新しい働き方を実践し、その結果どうなったか、どう思ったかなどを語ってもらう』
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。