2018年06月29日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の65回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖第2ステージ(リハビリ期)〗(約3ヵ月)
『少しずつメンタルヘルス不調の回復が見られ、睡眠が安定し、日中の活動量が増してくる時期です。
メンタルヘルス不調が回復し、憂うつな気持ちが取れ始めれば、いよいよリハビリ期に突入です。
この時期はゆっくりと運動量を増やし、新聞や読書などで頭を使いながら、職場復帰に向けた準備(リワークに向けた準備)を進めることが目標です。
メンタルヘルス不調が回復するまでに、良くなったり、悪くなったりというメンタルヘルス症状の繰り返しが見られます。
しかし、数週間単位で振り返ってメンタルヘルス症状が良くなっていれば、おおむね順調にメンタルヘルス不調が回復していると考えても良いでしょう。』
◎リハビリ期に職場に報告すべき事項
■現在のメンタルヘルス症状
メンタルヘルス症状や通院頻度に加えて、何か主治医(精神科医・心療内科医)からのメンタルヘルス症状の説明があった場合には、それを報告しましょう。
■職場復帰の見通し(リワークの見通し)
この段階では、「〇月〇日に職場復帰をします(リワークをします)」というような正確な職場復帰の見通し(正確なリワークの見通し)は必要ありません。「主治医(精神科医師・心療内科医師)からは、大体あと3ヵ月程度で復職可能(リワーク可能)と言われています」などと大まかでも構いません。
■今後のリワークプログラム(復職支援プログラム)の予定
リワークプログラムなどに参加(復職支援プログラムなどに参加)する場合にはその旨を、1人でリワークプログラムを実施(復職支援プログラムを実施)する場合には、リワークプログラムの計画(復職支援プログラムの計画)などを報告しましょう。
◎リハビリ期に職場に確認すべき事項
■職場復帰の手順(リワークの手順)
実際に主治医(心療内科医・精神科医)から職場復帰の許可(リワークの許可)が出た場合には、どのような手続きが必要か確認しておきましょう。
■職場復帰後(リワーク後)の就業上の配慮について
職場復帰した際(リワークした際)に、半日勤務などの軽減勤務を受けることが可能かどうかを確認しておきましょう。それによって、リハビリ期の最終的な目標設定が変わってきます。
■リハビリ期における産業医・保健師・産業カウンセラーなどとの面談の必要性
職場が休業中に産業医などの産業保健スタッフとの面談を勧める場合もあります。リハビリ期では、そのような機会はできる限り活用するようにしましょう。
■次の連絡予定と方法
今後、定期的に連絡を取った方が良いのか、もし取るとすれば電話で良いのか、会社に行った方が良いのかなど、今後の連絡について確認しておきましょう。
◎第2ステージ チェックリスト
■主治医(心療内科医師・精神科医師)と職場復帰に向けた話(リワークに向けた話)ができるようになった
⇒リハビリ期の終了のめどは、主治医から「そろそろ職場復帰(そろそろリワーク)を考えましょうか」と、職場復帰の時期(リワークの時期)についての話が出るようになることです。
■職場復帰の障害(リワークの障害)となるような薬の副作用がなく、自分に合った薬が見つかった
⇒ひどい便秘や日中の眠気などは職場復帰の障害となる(リワークの障害となる)ことがあります。職場復帰後もしばらくは治療を継続(リワーク後もしばらくは治療を継続)する必要がありますので、薬の副作用が職場復帰の支障(リワークの支障)とならないように主治医と相談しましょう。
■活動記録を毎日つけることができ、自分のメンタルヘルス状態を客観的に評価できるようになった
⇒活動記録を毎日つけることは、自らのメンタルヘルス状態を後から振り返ったり、言葉にすることで、自分の不安や焦りを整理したりする作用があります。
■規則正しい生活を送り、睡眠時間や起床時間などが安定してきた
⇒職場復帰に際して(リワークに際して)は、朝の決まった時刻に起きられるということが、重要な要素となります。そのためにも、毎日同じくらいの時間に寝つけるようになっていることが必要です。
■買い物や所用で外出しても疲れが残らず、翌日活動できるようになった
⇒実際に職場復帰(実際にリワーク)をすると、通勤ラッシュや社内の移動などで身体的な疲労を感じるものです。そのためにこのリハビリ期である程度の体力の回復が必要です。
■仕事に関連するニュースを見ても、気持ちが沈むことがなくなった
⇒職場のことを思い出すようなニュースや新聞記事を見ても気持ちが沈まないということは、職場復帰が可能(リワークが可能)になってきている兆候です。
■新聞や書籍の内容を理解しながら、集中して読むことができる
⇒うつ病などメンタルヘルス疾患のリハビリにより、メンタルヘルス不調が改善してきたサインです。職場復帰のことを考える(リワークのことを考える)と、少なくとも30分程度は集中力が持続することが必要です。
■職場の関係者とのやり取りを、抵抗感なくすることができる
⇒次の職場環境調整期(職場復帰準備期(リワーク準備期))では、特に職場の関係者とのやり取りが重要になります。そのため、職場の関係者に電話をすることや、実際に会って抵抗感なく書類のやり取りができるようになることがポイントです。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。