2018年06月19日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の62回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】●職場復帰後(リワーク後)の段階的アドバイス(Ⅱ)
◎仕事の質について
職場復帰後に、いきなり以前と同じ仕事をやろう(リワーク後に、いきなり以前と同じ仕事をやろう)とする方も見受けられますが、そこで大きなミスをしてしまうことや、仕事を抱え込んでしまったりしては、職場の役に立つどころか、かえって職場に迷惑をかけることにもつながってしまいます。職場復帰をする本人(リワークをする本人)のためにも、職場のためにも段階的に仕事の質を向上させていくように心がけましょう。
段階的な職場復帰に際して(リワークに際して)は、勤務時間や残業時間を少しずつ通常に近づけていくことと並行して、仕事の質もレベルアップさせていくことが重要です。
①代替可能な単純作業から復職(単純作業からリワーク)(職場環境に慣れる)
『職場復帰をして間もなく(リワークをして間もなく)は、久々の通勤などで非常に体力を消耗する時期です。その復職後の間もない時期(リワーク後の間もない時期)に、困難な仕事を抱えてしまうと、身体的にもメンタルヘルス的にも追い込まれてしまい、うつ病などメンタルヘルス不調の再発にもつながりかねません。そこで、職場復帰して間もないとき(リワークして間もないとき)(大体、職場復帰後2週間(リワーク後2週間)ぐらい)には、職場の雰囲気や人間関係に慣れ、遅刻や欠勤することなく職場に来ることができていれば十分であると考え、仕事に関しては休んでいた間のメールチェック、資料の整理などを行いながら、現在の職場の状況を把握する程度にすることが望ましいと考えられます。』
②内部事務や他の社員(職員)の補助的な仕事で、少しずつ職務に慣れる
『職場環境の次は、職務に慣れていく段階となります。いきなり責任が重大で間違いの許されないような職務内容ですと、本人に必要以上のプレッシャーをかけてしまうことになります。そこで、最初は期限のない(もしくは期限が長期間)会社内部の仕事や、他の方の補助的な仕事から取り組むことが望ましいでしょう。』
③対外的な折衝業務やノルマ・期限の厳しい仕事は最終段階で
『どうしても対外的な折衝業務やノルマ・期限の厳しい仕事は、仕事から受けるプレッシャーが大きいため、うつ病などメンタルヘルス不調の再発の要因となりかねません。もちろん、いつまでも軽減業務というわけにはいきませんので、どこかの段階ではそのような業務にも復職しなければなりません(リワークしなければなりません)が、それは②の業務がミスなく十分に遂行でき、自分の職務に自信が持てるようになってからの方が望ましいと考えられます。』
上記のように職場復帰に関して(リワークに関して)は、質的にも段階的に負荷をかけていくことが理想的ですが、これも職場の理解があってのことです。職場によっては、「一人前の仕事ができるようになるまで職場復帰は認めない(リワークは認めない)」という場合もありますので、職場環境調整期(職場復帰準備期(リワーク準備期))に職場の上司や産業医を交えて、会社の方針や制度を確認し、無理のない職場復帰を目指す(リワークを目指す)ように心がけましょう。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。