2018年06月17日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の61回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】●職場復帰後(リワーク後)の段階的アドバイス(Ⅰ)
◎勤務時間について
会社によってルールが異なりますが、多くの場合、「週5日間、所定労働時間」勤務が可能になった時点で、正式に職場復帰(正式にリワーク)となる場合が多いようです。
①リハビリ出勤の期間をどの程度設けるか?
『その期間は、メンタルヘルス疾患療養中にどの程度、メンタルヘルス不調が回復しているのかにもよりますが、一般的には1~3ヵ月程度の時間をかけることが適切でしょう。職場はメンタルヘルス治療機関ではありませんので、この期間が長すぎても、職場の負担になりますし、休業者本人にとっても不利益となることが少なくありません。
逆に、3ヵ月以上もリハビリ出勤が必要な場合は、職場でのリハビリ出勤の前に自宅や復職支援施設(リワーク支援施設)での職場復帰への取り組み(リワークへの取り組み)(例えば、メンタルヘルス専門病院のリワークプログラム(復職支援プログラム)への通所など)を先に行い、一定以上のメンタルヘルス不調の改善が認められた後で、職場へのリハビリ出勤を行った方が良いでしょう。』
②正式に職場復帰をした後(正式にリワークをした後)(必要に応じて就業制限)
『正式に職場復帰をした後は、3ヵ月程度は残業を制限(正式にリワークをした後は、3ヵ月程度は残業を制限)した方が良いでしょう。この場合、「残業は極力減らす」という曖昧な決意ではなく、メンタルヘルス疾患の再発予防のために「退勤時間になったら必ず帰る」という姿勢が重要です。これには、職場の理解も重要ですから、職場の上司や産業医とも正式復職の前(正式リワークの前)に十分に話し合っておきましょう。そうでないと、「少しだから」と仕事をやり続け、結局は残業をすることになり、長時間の残業が定常化してしまうことも少なくありません。
また、出張すると、どうしても勤怠管理がルーズになり、思わぬ負荷が生じるので、この復職直後(リワーク直後)の時期は遠方への出張などは控えるべきでしょう。』
③職場復帰後の残業(リワーク後の残業)について
『残業が許可された場合にも、「月に20時間以内→月に40時間以内→制限なし」というように、少しずつ残業許可時間を増やしていくことが重要です。一般的に「残業時間が45時間を超えると、だんだんメンタルヘルスへの影響が出始める」とされていますが、うつ病などメンタルヘルス不調からの職場復帰の場合(リワークの場合)には、さらに注意が必要です。よって、一気に残業が深夜にまで及ぶといった事態は極力避けることが望ましいと考えられます。』
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。