2018年06月08日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の55回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】●職場復帰後(リワーク後)、メンタルヘルス疾患の再発予防期における職場での過ごし方
うつ病などメンタルヘルス不調で休業をしてから職場復帰される方(リワークされる方)は、会社の役に立ちたいと過度に張り切ってしまう場合がよく見られます。しかし、いくら職場復帰を果たした(リワークを果たした)といっても、メンタルヘルスが良好で働いていたころのレベルにすぐには回復できません。この復職直後(リワーク直後)の時期は意識的に仕事量をセーブすることが重要です。
例えば、「職場復帰支援(リワーク支援)プラン」により短時間勤務や残業制限を受けている場合には、それをきちんと遵守しましょう。まだ、みんなが働いているのに1人だけ早く帰ることは申し訳ないと思われる方が多いようですが、そこで無理をしてうつ病などメンタルヘルス不調を再発させてしまうよりも、次の日もメンタルヘルス良好で出社できることの方が職場にとってもありがたいことなのです。私はこの復職直後の時期(リワーク直後の時期)を、「他の人が働いていても帰れるようになるための練習期間」だと職場復帰をされた方(リワークをされた方)にはお話ししています。つまり、うつ病などのメンタルヘルス不調になる方の多くは、メンタルヘルス不調になる前から周囲を気にしすぎて、職場から退出することが遅くなりがちで、疲労をため込んでしまうケースが多いのです。そこで、この復職直後の期間(リワーク直後の期間)に周囲の人が働いていても先に帰る練習をすることで、「自分が先に帰っても職場は滞りなく仕事が進んでいるし、あまり周囲も気にしていない」といった感覚を会得していただくことも重要なのです。ただし、職場復帰支援プラン(リワーク支援プラン)を遵守すると言っても、メンタルヘルス不調のときには復職支援プランを変更(リワーク支援プランを変更)してでも早めの休養を取ることや、主治医(精神科医・心療内科医)に相談に行くために早退をすることは問題ありません。決めた復職支援プラン(決めたリワーク支援プラン)より勝手にペースを早めたり、仕事の終了時間を延ばしたりすることがないようにしましょうという意味なので、注意をしてください。
また、この復職直後の時期(このリワーク直後の時期)に特別なイベントを企画することは避けましょう。職場復帰のお祝い(リワークのお祝い)を兼ねて土日で旅行に出かけたりする話も聞きますが、職場復帰後3ヵ月(リワーク後3ヵ月)程度は、身体的にもメンタルヘルス的にも想像以上に疲れますので、まずは十分な休養を取るようにしましょう。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。