復職支援(リワーク)(その19) | 豊中市 千里中央駅直結の心療内科「杉浦こころのクリニック」

ブログブログ

ホーム > ブログ > 復職支援(リワーク)(その19)

復職支援(リワーク)(その19)

2018年02月24日 

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の19回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】●職場復帰をするリワークをする)ために必要な家族復職支援家族リワーク支援)のポイント
■患者様のメンタルヘルス症状に即した、うつ病などメンタルヘルス疾患に対する正しい知識を身に付ける
メンタルヘルス疾患に対する知識は、うつ病などメンタルヘルス疾患に関連した本で広く知識を身に付けることができます。しかし、ここで重要なのは、患者様のメンタルヘルス症状についての正しい知識になります。本では一般論を述べているので、どの部分が患者様のメンタルヘルス症状に当てはまるのか家族の目からは判断が難しい場合も少なくありません。
そこでポイントとなるのが主治医の説明や助言なのです。家族が患者様の受診に同伴することは、主治医にとっても客観的な患者様のメンタルヘルス症状を知ることができ、より的確な治療につながりますし、家族にとっても患者様のメンタルヘルス疾患に対する知識を得る絶好の機会となるのです。患者様と一緒に受診する機会を上手に活用して、自宅における家族のサポート方法や主治医の治療方針・処方薬の効能や副作用、そして職場復帰のめどリワークのめど)などを率直に尋ねてみると良いでしょう。
患者様のメンタルヘルス症状に一喜一憂せず、冷静に対応する
うつ病などメンタルヘルス不調は直線的にメンタルヘルス症状が改善に向かうことは少なく、良い状態と悪い状態の波を繰り返しながら少しずつ快方に向かうことがほとんどです。そのため、メンタルヘルス症状の良いときには患者様も家族もメンタルヘルス不調が治ったのではないかと喜び、気晴らしに温泉旅行やドライブなど積極的に外出に誘うケースがよくありますが、これは避けた方が良いでしょう。
なぜなら、嫌とはいえない几帳面でまじめな性格の方がうつ病などメンタルヘルス不調になりやすく、患者様は心配してくれている家族から誘われれば、多少気乗りがしなくても嫌とは言えずについて行くことが多いのです。その結果、身体的疲労を招き、患者様のメンタルヘルス症状が悪化することもあるからです。こうなってしまうと、患者様は「やっぱり何もできない。家族に迷惑をかけてしまった」と劣等感や絶望感を抱くことになりますし、家族も「私たちが誘ったから具合が悪くなってしまったのだろうか」と自分たちを責めることになってしまいます。ですので、もちろん患者様が「どこかに外出したい」と希望するのであれば、疲労の残らない程度の外出をすることは問題ありませんが、家族から積極的に気晴らしに誘うことはせずに、家族は「患者様を見守る」「患者様に付き添う」というスタンスを取り続けることがことが重要です。
■支える者のゆとりの時間を確保する
上記うつ病などメンタルヘルス不調の患者様にとって家族の存在は大きな支えとなり、家族の協力によってメンタルヘルス不調が回復に向かうケースは多く存在します。しかし、うつ病などメンタルヘルス不調の場合、療養期間が長期化することも多く、その療養中の生活のほとんどが家族に支えられており、支える側の家族の負担も決して少なくないのです。
また、当初は主治医から3ヵ月程度の療養期間が必要と診断されていたものが、3ヵ月後になるとさらに3ヵ月の療養が必要と診断されることもよくある話です。そのような状況下で、支える家族の方のストレスがたまり、十分なサポートができなくなってしまってはどうしようもありません。
そこで重要なことは、家族としてのサポートを頑張りすぎないことです。人は無理をし続けてもどこかで限界を迎えますし、自分に余裕がなければ他人を支えていくことは難しいのです。もちろん患者様の気持ちになって一緒に考えてあげることは重要ですが、患者様に気を遣いすぎる必要もありません。支える家族自身がときには友達と出かけたり、自分の趣味に時間を割いたりするなど、ゆとり時間を確保することも重要なのです。
■家族だけで孤立して悩まない
先述したように、上記うつ病などメンタルヘルス不調の患者様を支える家族の負担は軽いものではありません。そこで、支える家族にとっても、家族だけで悩まずに、さまざまな社会資源(日本産業カウンセラー協会、労災病院、うつ・気分障害協会(MDA-Japan)、精神保健福祉センター(各都道府県に設置)、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構など)を活用して、家族が抱く悩みや不安を吐き出し、適切な助言を得ることができるように相談連絡先を確保しておくことも良い手段です。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。

 

ページトップに戻る

レスポンシブウェブデザイン