2018年02月17日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の13回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】結局のところ、職場復帰のため(リワークのため)のうつ病などメンタルヘルス疾患の治療においては精神科と心療内科の違いや、クリニックと病院の違いなどよりも、どのような主治医のもとで治療を行うかが最も重要なポイントとなるのです。ここであえて「職場復帰のためには(リワークのためには)」と強調したのは、精神科医・心療内科医として優れている医師が、必ずしも職場復帰のための主治医(リワークのための主治医)に向いているとは一概に言えないからなのです。
もし何か大きな外科的手術をしなければならないような場合だと、手術の成功率の高い優秀な医師を選ぶべきでしょう。しかし、職場復帰する(リワークする)ためのうつ病などメンタルヘルス疾患の治療は、ただ単に薬を処方し、休養を勧めれば良いだけではなく、患者様の悩みや職場での心配事をじっくり聞き、その上で職場の関係者と職場復帰の時期(リワークの時期)や職場環境を調整し、職場復帰後(リワーク後)のフォロー方法などを的確にアドバイスすることも重要なので、外科とは大きく異なるのです。つまり、名医と言われる医師にかかったとしても、診察が3分で終わってしまい、職場の悩みなどを打ち明けたり、職場復帰後のこと(リワーク後のこと)を相談できなかったりする環境下では、職場復帰はうまく進み(リワークはうまく進み)ません。
また、職場の関係者との調整やアドバイスを行わずに、「職場のことはわからない」とか「職場のことは産業医と相談して」と職場復帰に向けて(リワークに向けて)の主治医としての見解をはっきりと示してくれない医師は、職場復帰のための主治医として(リワークのための主治医として)は不向きです。そこで、職場復帰のための主治医選び(リワークのための主治医選び)の基準としては次のような項目に重点を置くのが望ましいでしょう。
『・5分以上の診察時間を確保し、話しやすい雰囲気で診察が受けられる。
・うつ病などのメンタルヘルス不調になった経緯や会社での悩み事などに積極的に耳を傾けてく
れる。
・およその治療期間や職場復帰の時期の目安(リワークの時期の目安)などを示してくれる。
・薬の副作用や家での過ごし方などについて十分な説明を行ってくれる。
・職場関係者や家族との面談に時間を割き、的確な説明を行ってくれる。
・傷病手当金の診断書や会社に提出する必要書類を嫌な顔をせずに発行してくれる。』
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。