2018年02月11日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の8回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖第1ステージ(要治療期(治療専念期))の過ごし方〗
●要治療期(治療専念期)とは
この時期は、気分の落ち込みや意欲の低下・不眠などのメンタルヘルス症状により病院を受診し、「うつ病のため、〇ヵ月間の自宅療養を要する」という診断書が主治医より発行され、やむなく仕事を休業し、自宅療養をすることになったときがスタートとなります。
会社を休業した直後は、職場の仲間のことや自分が残してきた仕事のことで頭が一杯で、むしろ自宅療養を始める前よりも、具合が悪くなったような気がすることも多く見られます。また、医師からの「うつ病ですから、少し会社をお休みした方が良いですよ」という一言で、力を振り絞って出社を続けていた緊張の糸がプッツリと音を立てて切れてしまい、しばらくは寝たきりのような生活となることもよくあることなのです。そうなると周囲の人は「仕事を休んだら余計に具合が悪くなった」と心配をするようになるのですが、それもこの時期の特徴と言えます。
よく考えれば、どの病気も患って間もない時期は、寝たきりのような生活になるものです。例えば、心筋梗塞になり医者から絶対安静と言われれば、誰もが納得して安静を保つだろうし、周囲の人も無理をせず、ゆっくりするように勧めるでしょう。しかし、不思議なことにうつ病の場合は、自宅で寝たきりのような生活をするようになると、患者様もこのままでは良くないと感じ、身体を動かすことすらつらいのに無理に外出をしようとしたり、患者様の周りにいる方も過度に心配し、何とかして寝たきりの状態を解消させようと躍起になってしまうことが多いのです。
しかし、この時期は、何も考えずにしばらくゆっくりと休むことが何より重要なのです。ただ、休んでいる間にも、職場での身分や待遇のこと、さらには、メンタルヘルス不調が本当に治るのかなどの疑問が、不安の波として次々に押し寄せてきます。そこで、次回からこの要治療期(治療専念期)をどのように過ごしたら良いのか、具体的にポイントを絞りながら説明をしていきましょう。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。