2018年02月07日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の4回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖「うつ」からの職場復帰を目指して(リワークを目指して)〗
●うつ病の治療の過程と産業医の関わり
◎うつ病の治療の流れ
今までうつ病が社会問題として、いかに深刻な影響を及ぼしているのかを述べてきましたが、ここではうつ病を発症した後、どのように職場復帰を果たして(リワークを果たして)いくのか、その大まかな流れをご紹介します。
うつ病発症の最初のサインはメンタルヘルス不調や行動面の変化に現れることが多く見られます。そのサインを見逃し、適切な対処行動(問題解決や休養)がなされないと、次第に職場で集中力や職務能力が低下してきます。
そして、うつ病に特徴的な気分の落ち込みや意欲の低下が現れ、出勤できなくなります。うつ病を発症した場合には、できるだけ早期にメンタルヘルス専門の医療機関にかかり、適切な治療を受けることが最も重要です。うつ病の治療の基本は薬物療法と十分な休養ですが、薬物療法は、最初の1~2週間は効果が現れないことがほとんどです。しかし、うつ病の治療にはある程度の時間が必要なことを理解し、焦らずに治療することが重要です。
その後、上下の波を繰り返しながらメンタルヘルス不調が改善します。生活のリズムが安定し、日中も気分良く過ごせるようになれば、次はうつ病の療養中に錆びついてしまった能力をリハビリで十分に回復させるように心がけましょう。
メンタルヘルス不調や認知能力が改善してきたら、いよいよ職場復帰(いよいよリワーク)となります。このときに重要なのは職場の上司や産業医などと十分に相談し、無理のないペースで段階的に職場復帰を試みる(リワークを試みる)ことです。
うつ病は再発率の高い病気なので、職場復帰後(リワーク後)は再発予防のために、仕事や家庭のストレスと上手に付き合っていくことが大切です。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。