2016年06月29日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワークプログラム」の39回目です。引き続き、リワークプログラム(職場復帰支援プログラム)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】厚労省傘下の高齢・障害・求職者雇用支援機構により都道府県に少なくとも1か所置かれている地域障害者職業センターでは、公共職業安定所と連携しながら、職業相談から就労・復職支援(就労・リワーク支援)および職場適応までの一貫した職業リハビリサービスを提供しており、うつ病で休職している労働者に提供されるサービスが「リワーク支援」です。民間企業に在籍するうつ病休職者の職場復帰(リワーク)と職場適応、および事業主を復職支援(事業主をリワーク支援)していく職業リハビリプログラムが復職支援プログラム(職業リハビリプログラムがリワークプログラム)で、目的は職場適応と事業主の復職支援(職場適応と事業主のリワーク支援)であり、治療によるメンタルヘルス不調の回復を目的としていない点が医療機関の復職支援プログラム(医療機関のリワークプログラム)との最も大きな違いであり、これを「職リハリワーク」と呼んでいます。
一方、「医療リワーク」は医療機関で行われる治療で、うつ病の再休職予防を目的としたリハビリテーションが医療リワークプログラムです。健康保険制度の下、厚生労働省が定めるリワーク施設基準のあるデイケアや作業療法あるいは集団精神療法などで、リワーク施設利用者本人の自由意思に基づき行われ、費用の一部は自己負担となります。
これらのリワークのほかに、企業内で行われる復職支援(企業内で行われるリワーク支援)のための復職支援プログラム(リワークプログラム)などを「リワーク」と呼ぶ場合があります。これは企業が社員に対し、安全な復職を果たす(リワークを果たす)ための復職支援(リワーク支援)で、厚労省が「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き(リワーク支援の手引き)」(復職ガイドライン(リワークガイドライン))で示した指針に盛り込まれた“試し出勤”や“リハビリ出勤”もこれに当たります。背景には、主治医(精神科医・心療内科医)の発行する復職可能(リワーク可能)とする診断書どおりに復職しても再休職(リワークしても再休職)が多いという現実があり、これに対応する措置です。
うつ病患者様の休職中に行われるため業務はさせないが、出勤が可能かを確認でき、職場での様子を観察することにより、復職させて(リワークさせて)安定した就労ができるかを見極めることを大きな目的としており、これを「職場リワーク」と呼んでいます。
以上、千里中央駅直結・千里セルシー3階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。