2016年04月19日
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク(復職)支援」の24回目です。引き続き、リワークについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】では、復職後(リワーク後)の実態はどのようになっているのでしょうか?
以前ご紹介した企業へのアンケート調査からご紹介します。
○病気休職から復職(リワーク)した従業員について、その仕事での就業が困難とわかった事例の有無
「あった」が16.9%、「なかった」が74.5%、となっています。
企業規模別に見ると、規模が大きくなるほど「あった」の割合が多くなっています。特に、1,000人以上の企業では約6割が「あった」となっており、中小企業との格差が大きくなっています。
では、就業が困難になった場合の対応はどうなっているのでしょうか?
○病気休職から職場復帰後、就業困難(リワーク後、就業困難)だった従業員への対応
「結果的に退職した」が43.8%と最も多く、次いで「他の仕事に変えた」が30.5%、「業務を軽減した」が25.7%などとなっています。
企業規模別に見ますと差が大きく、企業規模が大きくなるほど「他の仕事に変えた」の割合が高く、規模が小さくなるほど「結果的に退職した」の割合が大きくなっています。規模の大きな企業では、業務軽減措置などを含めて配置転換させる職務がありますが、中小企業ではなかなか配置転換が難しいことも一因ではないかと思われます。
この調査は、メンタルヘルス疾患に絞り込んだ調査ではありませんが、傷病休職者の多くがメンタルヘルス不調が原因だとされています。メンタルヘルス不調からの職場復帰後のフォローアップ(リワーク後のフォローアップ)の大切さとともに、職場復帰後の対応(リワーク後の対応)の難しさが浮き彫りになっているのではないかと思います。
以上、千里中央駅直結・千里セルシー3階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。