リワーク(復職)支援(その22) | 豊中市 千里中央駅直結の心療内科「杉浦こころのクリニック」

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リワーク(復職)支援(その22)

2016年04月16日 

千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク(復職)支援」の22回目です。引き続き、リワークについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】復職リワーク)させるための基準について、企業の対応方針にもバラツキがみられます。総じて、規模の大きな企業ほど復職のハードルリワークのハードル)が低くなっています。これは、規模の大きな企業であれば、他の軽易な業務への配置転換が容易であること、規模の大きな企業には復職に当たってリワークに当たって)の企業側の配慮をより強く求めることの影響もあるのではないかと思います。
では、現職に復職現職にリワーク)できる状態、または、現職に復職できるリワークできる)見込みのある状態とは、どのような状態なのでしょうか?
実は、メンタルヘルス疾患の場合、ここが実務上で一番問題になるところです。うつ病などのメンタルヘルス疾患の場合、仕事に復職したときリワークしたとき)に職務遂行能力がどの程度回復しているかの判断は難しいからです。復職させてリワークさせて)、実際に仕事をさせてみないと解らないという部分が大きいのです。
厚生労働省の『職場復帰支援リワーク支援)の手引き』(復職ガイドラインリワークガイドライン))では、復職可否リワーク可否)の判断基準の例として、
①労働者が復職に十分な意欲リワークに十分な意欲)を示している
②通勤時間帯に一人で安全に通勤ができる
③決まった勤務日、時間に就労が継続して可能である
④業務に必要な作業ができる
⑤作業による疲労が翌日までに十分回復する
⑥適切な睡眠覚醒リズムが整っている、昼間に眠気がない
⑦業務遂行に必要な注意力・集中力が回復している
などを上げています。
しかし、これは職場復帰の最低条件リワークの最低条件)であり、職務遂行能力の回復程度についての判断ではありません。
一般的には、休職前の7割~8割程度に職務遂行能力が回復していなければ、復職することリワークすること)がメンタルヘルス疾患の再発を招く可能性が高いと言われています。しかし、休職期間の限度が迫り、従業員が復職を希望リワークを希望)して主治医から復職可リワーク可)の診断書が出るが、産業医の意見とかみ合わないことも多く、会社として難しい判断を迫られるケースは多く見られます。
試し出勤、リワークプログラム職場復帰支援プログラム)などを実施しても、実際の職務遂行能力まで判断することは困難です。
会社としては、復職をさせるかリワークをさせるか)どうかについての判断項目や基準をあらかじめ設定しておき、復職判定リワーク判定)の過程を文書化して保存しておくなど、将来のトラブル発生によるリスクを軽減するための対策を講じておく必要があります。
以上、千里中央駅直結・千里セルシー3階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。

 

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