2016年02月12日
心療内科 精神科、大阪府 豊中市・千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワークプログラム」の28回目です。引き続き、リワークプログラム(職場復帰支援プログラム)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】■人事労務管理上の対応
職場復帰(リワーク)に関しては原職へ復職(原職へリワーク)させることが多いです。これは、もしより好ましい現場への配置転換や異動であったとしても、新しい環境への適応にはやはりある程度の時間と心理的負担を要するためであり、そこで生じた負担が疾病の再発・再燃に結びつく可能性が指摘されているからです。
これらのことから、職場復帰に関して(リワークに関して)は「まずは原職に復職(原職にリワーク)」を原則とし、今後配置転換や異動が必要と思われる事例においても、まずは元の慣れた職場で、ある程度のペースがつかめるまで業務負担を軽減しながら経過を観察し、そのうえで配置転換や異動を考慮したほうがよい場合が多いと考えられます。ただし、これはあくまでも原則であり、異動や環境変化等を誘因として発症したケースにおいては、現在の新しい職場にうまく適応できなかった結果である可能性が高いため、適応できていた以前の職場に戻すか、または他の適応可能と思われる職場への異動を積極的に考慮したほうがよい場合もあり、異動なしでは復職できない(リワークできない)ケースもあります。その際、産業医等が人事労務担当者や管理監督者に対して配置転換や異動の必要性についての説明を行い、十分な理解を求めることが重要です。
その他、職場要因と個人要因の不適合が生じている可能性がある場合等においても、本人や職場、主治医等からも十分に情報を集め、総合的に判断しながら配置転換や異動の必要性を検討する必要があります。よって、職場復帰支援(リワーク支援)プランについては、復職希望(リワーク希望)の時点から草案をつくり、その後の復職面談(リワーク面談)で調整し、リワークプランが実行可能かどうかを含め復職可否(リワーク可否)の判断を行うのが現実的です。また、日常生活リズムを整えるためには、フレックスタイム制度や裁量労働制度等の勤務制度を利用しないほうが体調管理に望ましい場合も多く、復職面談のなか(リワーク面談のなか)で制度に則って決定されるべきです。
以上、心療内科、豊中市・千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。