2016年01月14日
心療内科 精神科、大阪府 豊中市・千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク (復職)支援」の20回目です。引き続き、リワークについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖職場復帰における(リワークにおける)周囲のサポート〗
ア.休業前~休業中
休業中の労働者に対しては、療養に専念できるよう、また安心できるように配慮します。引継ぎに関しては状態によっては実施できないこともありますが、可能であれば最小限の引継ぎを行い、以後は業務に関する連絡はとらないように心がけます。休業中の経済的不安や将来に対する不安もできる限り軽減できるよう、傷病手当金制度や復職手順(リワーク手順)についてなどの情報提供を行います。休業中の連絡は、1~2か月に1回程度とし、診断書に記載されている要休業期間が終了するころに状況の確認をします。
イ.職場復帰前(リワーク前)
主治医により職場復帰可能(リワーク可能)の判断がなされたら、すぐに職場復帰を決定(リワークを決定)するのではなく、実際に業務遂行できる状態であるかどうか、また、復職に際して(リワークに際して)勤務時間の配慮や職場環境の調整を要するかどうか、などについて産業保健スタッフを中心に十分な情報収集と評価を実施した上で、復職する労働者(リワークする労働者)と管理監督者、人事労務管理スタッフを含めて十分に話し合いながら職場復帰プラン(リワークプラン)の作成を行います。産業保健スタッフがいない場合は、人事労務管理スタッフ、衛生管理者などが主治医や都道府県産業保健推進センター(従業員数50人未満の事業場の場合は、地域産業保健センター)などと連携をとりながら進めます。このステップは安全でスムーズな職場復帰のために(リワークのために)重要です。
ウ.職場復帰のめやす(リワークのめやす)
病気の回復過程において、回復期は調子がよい日と悪い日の波があることが多いため、その波が安定して、悪い日でも出社できる程度の状態になったら復職を検討(リワークを検討)できる時期です。さらに、規則正しい生活リズムになっていること、日中は外出して過ごす体力が回復していること、通勤電車に乗れること、読書やパソコン作業など集中してできること、人間関係においてある程度接触が可能であること、など、毎日出社して軽減業務程度ができる状態であることが必要です。最終的な復職のタイミング(リワークのタイミング)はあせらず、総合的に判断をして決定します。
エ.職場復帰後(リワーク後)
職場復帰に際して、周囲の方(リワークに際して、周囲の方)は自然な態度で迎えてください。根掘り葉掘り状況を聞くようなことは慎み、「おはようございます」といったあいさつや、「また一緒に働けてよかった」という自然な気持ちを伝えてください。
職場復帰後は時間短縮勤務、業務軽減(リワーク後は時間短縮勤務、業務軽減)などの措置を段階的に行いながら徐々に通常勤務へと戻す期間が必要となります。管理監督者は、同僚に対して、勤務上の配慮事項を明確に伝え、職場復帰した労働者(リワークした労働者)がスムーズに働けるように配慮します。
以上、心療内科、豊中市・千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。