2015年11月13日
心療内科 精神科、千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回から「心療内科と心身相関」というタイトルで、心療内科について詳しく触れたいと思います。
心身相関は、心療内科の基本コンセプトの一つであり、心理と生理の作用、活動が相関関係にあることを示すものです。こころと身体は一体であり、分かち難い不可分の関係があることは常識と言って良いと思いますが、身体的変化を起こさない感情はない、と言えるほど、実際にこころと身体は密接な関係にあります。
身体とこころを結ぶルートとしては、自律神経系、内分泌系、免疫系の3つが挙げられます。この3つは協調しながら生体恒常性の維持に貢献しているため「ホメオスタシスの三角形」として扱われることもあり、個々別々にも、種々研究されています。
自律神経は、生命を維持するための、血液循環、呼吸、食物の消化と吸収及び排泄、体温の調節などの機能を、自動的にコントロールしています。交感神経系と副交感神経系の2つの神経系で構成され、この両者の作用は、一般に拮抗的に働きます。交感神経は、活動、緊張、攻撃などに向かわせ、広義のストレスの多い状況において重要となります。
副交感神経は、身体を休ませる方向に向かわせ、リラックスや体の修復をしている時に重要となる神経です。内分泌系は、血管やリンパ管にホルモンを分泌して、身体の機能を調整しています。ホルモンはほんの僅かな量で作用するので、ちょっとでもバランスが崩れるだけで、病気になってしまいます。
過度なストレスには敏感に反応して、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールの分泌量を増やすことが知られています。免疫系は、様々な外敵から身体を守る防衛システムで、体内へ侵入した異物を排除します。しかし、不安や抑うつなどの精神的ストレスを受けると、この防御機能の働きが衰えて抵抗力が弱まり、疾患に罹りやすくなる、ということが知られています。
以上、心療内科、千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。