2015年04月20日
皆様、こんにちは。心療内科 精神科、千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク (復職)支援」の7回目です。引き続き、リワークについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】●使用できるツール―「職場再適応支援チェックリスト」
職場復帰後のフォローアップ(リワーク後のフォローアップ)に活用できるツールとして、「職場再適応支援チェックリスト」があります。
■構成と使用法
本チェックリストは、労働者(本人)向け項目と管理監督者(上司)向け項目からなっており、双方に含まれる項目が大半を占めています。
本チェックリストは、職場復帰時(リワーク時)および職場復帰後(リワーク後)に、本人、上司、産業保健スタッフ(産業医、産業看護職など)が、現在の本人の状況(主として業務遂行能力の回復度)を確認して、その後の就業面の配慮、本人がどのような点に注意し、どのような仕事に従事するかを話し合う際の、参考資料として活用されることを意図しています。
事前に、本人および上司に配布し、話し合いの席に、記入済みの用紙を持ち寄って、両者の一致している点を確認するとともに、ずれがある(たとえば、本人はできているのに、上司は不十分であると判断している)点について、産業保健スタッフの立会いのもとに問題点を率直に話し合うという使用法を標準とします。
「全職種共通」項目と「職種別」項目をあわせて使用します。(たとえば、営業職であれば、「全職種共通」と「営業職」の項目を同時に実施する)
■使用にあたっての留意点
本チェックリストには、目安として、復職後の期間(リワーク後の期間)(復職時、復職後1ヵ月(リワーク後1ヵ月)、復職後3ヵ月(リワーク後3ヵ月)、復職後6ヵ月(リワーク後6ヵ月))が記されているが、それぞれの時点で、該当項目が達成されているべきであるということではないです。達成時期は、メンタルヘルス不調の種類、職場復帰時の状態(リワーク時の状態)(どのくらいの回復レベルで職場復帰する(リワークする)か)、治療薬の副作用、職務内容、職場環境等によって異なってきます。したがって、本チェックリストを復職後の業務(リワーク後の業務)に関する成績表の類として用いるのは誤りであり、厳禁です。
以上、心療内科、千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。