2015年04月19日
皆様、こんにちは。心療内科 精神科、千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク (復職)支援」の6回目です。引き続き、リワークについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】●具体的なフォローの進め方
職場復帰時(リワーク時)に想定した職場復帰プラン(リワークプラン)が順調に進んでいるかどうかを確認し、それが困難となっていれば、原因や問題点を明らかにして、再度職場復帰プランを見直す(リワークプランを見直す)作業が中心となります。
前項で示したように、精神疾患の中には、再発を繰り返すほど、次の再発が生じやすくなる病態があること、欠勤を重ねるほど、たとえそれが健康障害によるものであると了解されていたとしても、職場の信頼は損なわれていくことなどから、できるだけきめの細かい職場復帰支援(リワーク支援)が望まれるところです。
この場合の職場復帰支援(この場合のリワーク支援)は、実施する職種から三つに分けることができます(職場復帰後(リワーク後)のフォローにおける支援)。
■上司(同僚)の支援
職場復帰プランに沿って(リワークプランに沿って)、職務に関する指示を出し、その成果を評価します。最近、多くの中間管理職はプレイングマネージャー化して多様な職務を抱え、部下管理に十分な時間を割く余裕がない状況にあることが指摘されるが、この過程を丁寧に行うことは非常に重要です。上司には、職場復帰の際(リワークの際)に、その旨をよく理解してもらっておく必要があります。
■産業保健スタッフ(産業医、看護職)の支援
当該労働者の病状の再発や再燃の有無を確認します。また、労働者のストレス状況を評価し、職場復帰プランが順調(リワークプランが順調)に進んでいるかどうかをモニターします。随時、主治医と連携をとり、必要に応じて職場復帰プランの軌道修正(リワークプランの軌道修正)や見直しを提言する役割も担います。さらに、当該労働者のみならず、本人を受け入れている職場の関係者、特に上司と接する場を持って、彼らのストレス状況を確認し、労いやストレス軽減に向けた助言を行うことも非常に重要です。
■人事労務管理スタッフの支援
産業保健スタッフと同様に、人事労務管理部門からも、本人、上司への職場復帰支援を継続(リワーク支援を継続)します。職場復帰プランの策定(リワークプランの策定)に引き続き関与し、必要によっては、人事関連の就業規則類の適用に関する説明の実施や適正配置のための人事異動の検討も行います。
特に、当該労働者がメンタルヘルス不調に陥り休業に至った明らかな要因が職場に見つからない場合には、上司や同僚の職場復帰支援活動(リワーク支援活動)を、当該部署の成績に加味するなどの報酬面の配慮が考慮されてよいです。
以上、心療内科、千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。