2015年03月25日
皆様、こんにちは。心療内科 精神科、千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「心療内科と精神疾患」の2回目です。引き続き、心療内科について詳しく触れたいと思います。
【続き→】心身症の定義では「精神疾患の身体症状」は除外していました。しかし世の中の多くの方は、心療内科がこころの病気を診てくれる科だというイメージをお持ちのようです。確かに心療内科でも様々な精神疾患を治療するのですが、精神科と全く同じ病気を同じように診るわけではありません。
精神疾患も種類によっては体の症状を伴うことがあり、しばしば患者様は体の症状を心配して、精神科ではなく内科の診察を受けます。例えば頭痛を訴えてやってきた患者様に頭痛薬を処方したがなかなか良くならない、よく話を聞いたら実はうつ病とわかったりします。このように心療内科では体の症状を伴う精神疾患のいくつかを、治療するのです。
しかしあくまでも精神科とは違うので、ここまでは心療内科が診る、ここから先は精神科にお願いするという境界線は引いています。その最も大きなものが
●妄想、幻覚
●自傷、他害(自分や誰かを傷つけたり命の危険にさらしたりするような行為)
の2つです。これらの症状があると行動のコントロールが難しく、時には患者様の意思に反してでも入院させる必要が生じます。そのような措置を講じることができるのは、精神保健指定医という資格を持った精神科医だけです。そこが心療内科と精神科の大きな分かれ目なのです。心療内科での入院治療はあくまでも御本人の同意を得た上で行っています(精神科も同意の上での入院が基本で、御本人の意思に反しての入院には厳しい基準があります)。
以上、心療内科、千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。