2015年03月21日
皆様、こんにちは。心療内科 精神科、千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「メンタルヘルス対策」の19回目です。引き続き、メンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】年功主義から成果主義への過度な移行が過重労働、サービス残業などをもたらし、さらには職場の人間関係をおかしくしたことが、今日的なストレスやメンタルヘルス不調を生んだ大きな原因と言われます。しかし、多かれ少なかれ人事システムの見直しというのは、この先も、避けて通ることのできないメンタルヘルス課題です。
忘れてはならないのは、人事システムの見直しを行うに際して、従来の人事制度から新たな考え方に基づく人事制度に移行するのだということを、会社側の一方的な都合ではなく、さまざまな側面からその必要性を明らかにし、社内的なコンセンサスを得て、実現していくことです。しかし、実際には十分にできていない企業が多いように感じます。結果、やらされ感やノルマのある職場が増えていきます。ストレスは溜まりメンタルヘルス不調者は増えるばかりです。逆に言えば、これができている企業では過剰なストレスやメンタルヘルス不調が起きている割合は低いです。この差はとても大きいです。
いずれにしても、人事制度の整備と正しい理解が社員個々の目標を明確なものとし、上司と部下のコミュニケーションの促進につながり、ひいては「個立」し「自立」できる人材を育成する社内風土作りにもつながっていきます。その意味で考えれば、人事システムの見直しは今日的なストレスを根治しメンタルヘルス不全を解消するために絶好の機会だと思います(とはいえ、やり方を間違うとさらなる過剰なストレスを生み出しメンタルヘルス不全の原因になるのも確かだが…)
以上、心療内科、千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。