2015年03月15日
皆様、こんにちは。心療内科 精神科、千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「メンタルヘルス対策」の13回目です。引き続き、メンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】そもそもEAPとは、アルコール問題が大きな社会問題となった1940年代のアメリカで、アルコール依存症になった社員の早期発見・早期治療を目的として始まったもの。その後、メンタルヘルス全般へ応用されるようになりました。
最近では、社員のストレスを減らして能力を存分に発揮できるよう支援することによって、組織の「生産性」を向上させることが大きな目的となっています。前述したように、働く人を取り巻く環境は大きく変化してきました。M&Aなども頻繁に行われるようになり、必然的に職場にストレスが溜まる要因が増えています。こうした環境下では、想定する以上に不適応を起こしてしまう人が少なくないです。チームとしての協同作業もうまく機能せず、コミュニケーションや効率性の面で低下している組織も多々見受けられます。
EAPは、「面談」によるカウンセリングが基本です。これも、EAPで扱う問題というのは、フェース・トゥ・フェースでなければ正確にアセスメントできない類のものだからです。さらに、その後のフォローアップ、それに対するカウンセリングやトレーニングが重要になってきます。電子メールや電話、ファックスなどはあくまで補助的なツールと考えます。
利用を考える際に安心してほしいのは、契約企業に対してこのような「利用履歴」を一切伝えることはないということ。このことで従業員は不安を感じることなく、カウンセリングを利用できます。その結果、ストレスによる欠勤や生産性のダウンなどを防ぐことが可能となります。
さらに言えば、企業経営の面から考えてもEAPは不可欠なツールです。アメリカの例であるが、EAPに1ドル投資することで、会社の利益として5ドルから15ドルの経済効果が上がることが実証されていると聞きました。
以上、心療内科、千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。