2015年03月11日
皆様、こんにちは。心療内科 精神科、千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「メンタルヘルス対策」の9回目です。引き続き、メンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖メンタルヘルス対策の「視点」〗
《メンタルヘルス対策における「4つのケア」とは?》
このようにメンタルヘルス対策の推進が強く求められる中にあって、厚生労働省でも以下のような「4つのケア」からなるステップに基づく指針を示し、企業によるメンタルヘルスへの対応を促しています。
『●セルフケア~労働者が自ら行うストレスへの気づきと対処
●ラインによるケア~管理者が行う職場環境の改善と相談への対応
●自社内の産業保健スタッフによるケア(内部EAP)
●外部の専門家によるケア(外部EAP)』
では、厚生労働省の指針に沿って、順にメンタルヘルスの取り組み方について見ていくとしましょう。
●《セルフケア~労働者が自ら行うストレスへの気づきと対処》
メンタルヘルスとは、こころの健康のこと。メンタルヘルス対策の第一歩は、労働者が自ら行う「セルフケア」を積極的に実施することから始まります。これには、自分でストレス反応をコントロールする方法を学び、職場でのストレス耐性を高める「セルフコントロール研修」と呼ばれる手法が有効です。
まず、自分のストレスの「現状」をよく知った上で、上手にストレスと付き合うための「心理学的スキル」を学んでいきます。その際に重要なのは、ストレスをどうとらえるかということ。というのも、ストレスのとらえ方はプラス・マイナスの2通りあるからです。例えば、難しい仕事を担当することになった時に、それを脅威ととらえるか、それともコントロール可能なものとしてとらえるかが大きな分かれ目となります。
仮に、脅威ととらえた場合、不安な気持ちでいっぱいになり、どのように対処していいか分からず、ストレスがどんどん溜まっていきます。一方、コントロール可能なものだと思えば自信も芽生え、むしろ困難であることをポジティブに考えて、難しい仕事にやりがいを感じ積極的に対処していくようになります。人はストレスに遭った場合、それをどうとらえるかで、心身の反応が両極端に出てきます。だからこそ、ストレスに遭遇した時に、どういう対処方法を取るかが重要となるのです。この対応の如何によって、後々のストレス反応が大きく違ってくることを忘れてはならないです。
そういう意味でも、自分にとって感じやすいストレスとは何なのかをよく知ることが大切です。さらに、対処のバリエーションを幾つか持つことも重要です。自分自身でストレスをうまくコントロールできれば、仕事の生産性は大きく違ってきます。仕事に対しても、前向きになれるでしょう。
以上、心療内科、千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。