2015年03月08日
皆様、こんにちは。心療内科 精神科、千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「メンタルヘルス対策」の6回目です。引き続き、メンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】〈「メンタルヘルス」の歴史・背景〉
1998年以降、日本では年間の自殺者が3万人を超えているが(2012年、15年ぶりに3万人を下回りましたが、依然として深刻な状況が続いており)、1999年に自殺を労災とする新しい労災認定指針が示されてからは「過労自殺」として労働災害と認定されるケースが急増しています。このような状況を受け、メンタルヘルスに取り組む企業が増えることになりました。
その背景には、社会を取り巻く環境が大きく変わり始めたことがあります。日本はここ10数年の間に、情報技術の驚異的な発展、少子高齢化社会の到来、所得格差など多様な社会問題に次々と直面。また企業においても厳しい成果主義や雇用形態の変化によって価値観が多様化し、これまでにない環境の変化が生じてきています。
とくに2008年、アメリカに端を発した金融危機(リーマンショック)の影響は、世界中に深刻な経済不況をもたらし、日本でも倒産やリストラによる失業者を多数生み出すことになりました。こうした厳しい不況下、企業は、最小限の人数で効率を上げ、生産性を向上させることを第一の目的にせざるを得なくなりました。そのため一人ひとりに過重な労働負荷がかかり、今日では、職務上の過重なストレスから多くの人々がメンタルヘルス不調を抱えるようになりました。
以上、心療内科、千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。