心療内科と心身症(その6) | 豊中市 千里中央駅直結の心療内科「杉浦こころのクリニック」

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心療内科と心身症(その6)

2015年02月16日 

皆様、こんにちは。心療内科 精神科千里中央駅千里ニュータウン医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「心療内科と心身症」の6回目です。
【続き→】心身症はそういう意味で現代医療の発展の中で最近注目されてきた病気といってもいいかもしれません。それだけ医療が細分化されてきて、より人間に対する理解が深まってきたと言ってもよいと思います。自律神経失調症は説明をしやすくするために神経症の中で取り上げていますが、この病名は内科で診断されるのが普通ですので、その点では心身症として考える方がより適切だと言えます。
身体の病気を中心としている心身症はこうした意味で、精神科では実はあまり見ることがありません。日本の精神科は統合失調症を中心として発展してきました。統合失調症は現在、基本的には脳神経系の働きの問題として考えられていますし、日本の歴史では治療というよりも社会から切り離す収容施設としての役割が重視されていた時代も長くありました。そういう背景の中で日本の精神科では、精神科と言いながらも「こころを癒す」側面の医療が欧米諸国に比べて遅れていることも現実的にはあります。そして、さらに日本という風土では、神経症や心身症は「気のせいだ」「甘えてるんだ」というような精神論で軽く片づけられたり、そうした病気が「こころの弱さからくる恥ずかしいものだ」というような否定的な理解が根強くあって、こころの医療そのものの発展を妨げてもきました。心療内科の登場はそうしたこれまでの医療の中にあって、確実に変化が起こりつつあることを意味しているのだと思います。
神経症や心身症は、このストレス時代を代表する病気であり、実際に形や強さを変えながらも非常に多くの人に共通した問題となってきています。これからの時代では、こうした病気や状態への理解がもっと重要になると思いますし、先の心療内科だけでなく、当然こころの専門家としての精神科の果たす役割はもっと注目されてよいと思います。精神科が地域のはずれにあって、受診するのもためらわれるような状況であったり、また精神科自身も「こころを癒す」医療への取り組みを消極的におこたっていれば、これからの社会を支えることはますます難しい問題になっていくことを痛切に感じます。
以上、心療内科千里中央駅直結千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。

 

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