2015年01月24日
皆様、こんにちは。心療内科(千里中央駅・千里ニュータウン・千里セルシー3階)「杉浦こころのクリニック」の杉浦です。今回は「心療内科はどんな科?」の7回目です。
【続き→】よく誤解されますが、心身症というのは病名ではありません。同じ病名の人たちを比べた際の傾向(病態)を表す言葉であって、病名の後ろに「(心身症)」とつけ加える形で使用する用語なのです。といってもある病気が心身症とそうでないものに厳密に分けられるものではなく、ひとつの病気のなかでも心身症傾向の強いものから弱いものまで連続的にあって、その傾向が弱い場合は身体に対する治療だけで良くなるし、心身症傾向の強いものには心理社会面も考慮した治療が必要となるのです。ということはこれまで軽い心身症傾向に位置していた人たちが、身体面への治療が発展したためにもはや心身症として治療しなくても良くなるようになるということも起こるわけです。実際、胃潰瘍(心身症)や気管支喘息(心身症)などは治療薬がめざましく進歩したため、以前に比べると心身症として治療しなければならない症例はぐんと減っています。