うつ病・うつ状態(その1) | 豊中市 千里中央駅直結の心療内科「杉浦こころのクリニック」

疾患・症状うつ病・うつ状態(その1)

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うつ病・うつ状態について(その1)

うつ病とは?

「憂うつである」「気分が落ち込んでいる」などと表現される症状を抑うつ気分といいます。抑うつ状態とは抑うつ気分が強い状態です。うつ状態という用語のほうが日常生活でよく用いられますが、精神医学では抑うつ状態という用語を用いることが多いようです。このようなうつ状態がある程度以上、重症である時、うつ病と呼んでいます。うつ病とは、ゆううつな気分を主な症状とする病的な精神状態で、その中心となる症状は、感情とその持続的状態である気分の抑うつなので、感情精神病、感情障害、気分障害ともいわれます。抑うつ気分、興味や喜びの喪失、活力の減退による易疲労感の増大や活動性の減少を主症状とする精神疾患です。

うつ病は単なる精神疾患ではなく、精神身体の両面にわたって生命力が全体として低下してくる病態で、しばしば、さまざまな身体症状を主訴として臨床の各科を受診します。

うつ病の12か月有病率は約2%、生涯有病率は10%前後といわれています。女性の有病率は男性に比べて約2倍高いです。好発年齢は20~30代といわれていますが、中高年での発症も多いです。季節的には、春と秋、女性では月経前後に発病が多く、血縁者に同じ病気の人がいると発病しやすい傾向があります。

分類

うつ病の分類方法の代表的なものを示します。原因からみて外因性あるいは身体因性、内因性、心因性あるいは性格環境因性と分ける場合があります。身体因性うつ病とは、アルツハイマー型認知症のような脳の病気、甲状腺機能低下症のような体の病気、副腎皮質ステロイドなどの薬剤がうつ状態の原因となっている場合をいいます。

内因性うつ病というのは典型的なうつ病であり、普通は抗うつ薬がよく効きますし、治療しなくても一定期間内によくなるといわれます。ただ、ご本人の苦しみや自殺の危険などを考えると、早く治療したほうがよいことは言うまでもありません。

躁状態がある場合は、双極性障害と呼びます。心因性うつ病とは、性格や環境がうつ状態に強く関係している場合です。抑うつ神経症(神経症性抑うつ)と呼ばれることもあり、環境の影響が強い場合は反応性うつ病という言葉もあります。

このような原因を重視したうつ病分類とは異なる視点からの分類が最近、よく用いられています。たとえば、アメリカ精神医学会が出しているDSM‐IVという診断基准には「気分障害」という項目があり、それをうつ病性障害と双極性障害に分けています。さらにうつ病性障害の中に、一定の症状の特徴や重症度をもつ大うつ病性障害と、あまり重症でないが長期間持続する気分変調性障害があります。

上記二つの分類法は異なる立場からの分類であり、それぞれに長所と短所があります。時に「内因性うつ病=大うつ病性障害」「抑うつ神経症=気分変調性障害」のように誤解している方がいますが、適切に使い分けることが大切です。

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